ヤコブ・ベルヌーイ(Jakob Bernoulli、1654年〜1705年)が1683年の導出に用いた複利計算式「(1+1/N)^N」に立脚する導出方法。
- まず「原資1を預けると1年で利息1がついて倍になる」夢の金融商品を想定する。
- これは単利のケースだが、上掲の複利計算式すなわち「区切った期間ごとに利息を元金に繰り込む」を選ぶとさらなる利息がつく。
統計言語Rによる検証結果
f0<-function(N){(1+1/N)^N}
f0(0)
[1] 1
f0(1)
[1] 2
f0(2)
[1] 2.25
f0(3)
[1] 2.37037
f0(4)
[1] 2.441406
f0(5)
[1] 2.48832
f0(6)
[1] 2.521626
f0(12)
[1] 2.613035
f0(36)
[1] 2.681464
f0(64)
[1] 2.697345
f0(128)
[1] 2.707739
f0(256)
[1] 2.712992- ただし無制限に増加し続ける訳ではなくある値、すなわちネイピア数e(2.718282)で頭打ちとなる。
これこそが増減が爆発的で「指数関数的増衰」なる表現すらある指数関数a^xの算出方法そのものとなる。
そう、実際には「増大」だけでなく「減衰」もありますが、指数関数a^xにのみ存在し対数関数Log(x,base=a)はどれもこれを備えないのが特徴です。
- a^x…一般的増大から「指数関数的増大」へ
- (1/a)^x…「指数関数的減衰」から一般的減少へ
- -a^x…「指数関数的増大」から一般的増大へ
- -(1/a)^x…一般的減少から「指数関数的減衰」へ
以下はかかる「無視可能な状態(IS=Ignorable State)」と「 有意味な増大(SI=Significant increase)」あるいは「有意味な減少(Significant Decrease = -(root^x))」の往復に関するある種のメモとなります。
①「(周期関数Sin(X)のリズムで進行する)指数関数的増大/減衰期と対数関数的停滞期のサイクル」が存在しそうな可能性を巡る実存不安 …複素数空間上の単位円の概念はここから「現在」に該当する部分だけを切り抜いて無限ループさせたものとも。
②生物はそもそも原則として「指数関数的増減」しか認識出来なさそうな事への実存不安…精神物理学によれば、そもそも心理的感覚Sと刺激の物理的強度Iの間にS=Klog(I)の非線形関係がある。Kは定数でウェーバー比と呼ばれ、たとえば音の強さについては 11分の1,圧覚では7分の1と定められている。
③「生物の数の指数関数的増大」にまつわる実存不安…ルネサンス期イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチ(ピサのレオナルド、 1170年頃〜1250年)の「フィボナッチ数(Fibonacci number)に基づく兎算」やトマス・ロバート・マルサス(1766年〜1834年)が「人口論(An Essay on the Principle of Population、1798年)」の中で述べた所謂「マルサスの罠」すなわち「幾何級数的に増加する人口と算術級数的に増加する食糧の差により人口過剰、すなわち貧困が発生する。これは必然であり、社会制度の改良では回避され得ない」に対抗すべくロジスティック方程式の研究が始まり、後世の多変量解析(multivariate analysis)や人工知能理論に結びつくロジスティック方程式(logistic equation)の研究が始まった。
*とはいえ「過去」は常に現在のレッド・オーシャンを回避する「第三の道」の宝庫であり、そこで志向される「輝かしい未来」は指数関数的成長を想定したりしてるので、実世界における在り方はそれほど単純でもない。
かくして「人間の認識可能領域外を跋扈する絶対他者」の暗躍が始まる?