「諸概念の迷宮(Things got frantic)」用語集

本編で頻繁に使うロジックと関連用語のまとめ。

【諸概念の情報倉庫】「視覚とそれを処理する脊髄」の獲得こそが、あらゆるビジネスモデルの出発点?

視覚とそれを処理する脊髄」の獲得こそが、あらゆる数理的直感やビジネスモデルの出発点かもしれません。何白それ以前の生物は「我考える、故に我あり」以前に脳髄を備えていないのですから。

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 ①ルネ・デカルトRené Descartes、1596年〜1650年)やイマヌエル・カントImmanuel Kant、1724年〜1804年)は「(人間が認識可能な情報の集大成としての独Ding、英Thing)の世界」と「(その外側に「原則として」人類に不可知な形で拡がる物自体独Ding an sich、英thing-in-itself)」の世界を峻別しつつ、人間はある種の直感能力によって後者と直接結びついている筈とした。しかしながら、とりあえず「視覚情報処理能力」そのものは全然先験的a priori)能力ではない。

先天性全盲者の臨死体験

眼に原因がある先天性盲人や早期失明者を,開眼手術を施して眼を完全に治療しても,手術直後直ちにその人が見えるようになる訳ではない。その理由は外界の情報を入力する眼は完全になっても,その情報を処理する脳の視覚野が生来情報が入力されてこなかった為に,発達していないからである。人間が見えるようになるためには,見るという経験が不可欠なのである。視覚を学習するためには,その後かなり長時間の訓練が必要とされている(鳥居・望月1992,1997, 鳥居1982, 本田214~238, A・Zajone 1~6)。 先天性盲人の開眼手術の場合は,手術直後の段階では,光だけを受容し,眩しいと感じるのみで,色や形は識別出来ないので,事物を見ることが出来ない例が多く,色よりも形の知覚を学習することの方が難しい(鳥居1995.93~95)。光が視覚以外の感覚を混乱させてしまうので,眼を閉じて見ようとしなくなる人もいる(von Senden 1960)。生来全盲の人は,高さや距離の概念が欠如しているので遠近感がない。手術直後は色もわからないが,色の方が形よりも学習し易い。また3次元の物(立方体)から2次元の物を区別するのが困難である(Nathan 252~254)。ヒトの大脳皮質視覚野は,感受性期が生後3,4才頃までであると言われている(津本1991.129 川口245~257)。幼年期から長期にわたって失明した人は,成人してから開眼手術をしても、視覚を獲得するには1年以上かかり,失明したのが生後間もない時期であって,視覚パターンが未発達であればある程,視覚を獲得するのが困難になる(Valvo1968.19~24,Gelbartet al 615~621)。先天性全盲者は,脳の視覚野で視覚イメージを作るという情報処理メカニズムが発達していないので,視覚以外の4つの感覚からキャッチしたデータに基づいて,視覚イメージを構成すると言うこともできない。

  • そして歴代の数学者や物理学者が科学的直感を得てきたのは、まさにこの「視覚情報処理能力」からだったのではあるまいか。とどのつまり、そこにいちいち「物自体の世界からの超越的示唆」など想定する必要はないのではあるまいか。

②生物史上最初に眼と視覚情報を処理する脊髄」を相応の形で獲得したのはカンブリア爆発Cambrian Explosion、葯5億4200万年前〜5億3000万年前)の左右相称動物Bilateria)とされる。これ以降(それを備えない放射相称動物Radiata)が進化面で遅れを取り始める一方、この新たな能力を初めて捕食動物として有効活用したアノマロカリスAnomalocaris、約5億2,500万〜約5億0,500万年前)が「(当時の生物としては破格の大きさまで成長する地球最初の百獣の王」の座に躍り出る。

地球最初の百獣の王」は、その一方で自らの系統を一切残す事なく死滅した。一説によれば皮肉にもこの捕食性動物は、その奇跡的成長ゆえに「(棘や殻や毒で自衛した食えない連中」のみを淘汰によって生き延びさせる一方、同種の生存戦略をより洗練させた魚類の登場を促する形で駆逐され尽くしていったのだという。こうした「地上に初めて現れ、かつ与えられた歴史的前提より(良い意味でも悪い意味でも)引き出し得るポテンシャルの全てを引き出し切ってその歴史的役割を終えた後に跡形もなく消滅した」という全体像を俯瞰して「あらゆるビジネスモデル歴史的事象の先例」と看做す向きもある。まさしく「平家物語13世紀前後成立)」の冒頭「祗園精舎の鐘の声、 諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらはす。 おごれる人も久しからず、 唯春の夜の夢のごとし。 たけき者も遂にはほろびぬ、 偏に風の前の塵に同じ」の世界…
*そう、少なくとも生物史の最初の時点では食物連鎖のサークル内で如何に生き延びるかだけが全てだった筈なのである。

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  • 以降生物の視覚が如何なる進化を遂げてきたかについては不明点の方が多い。従って、それに付随して発達してきた筈の情報処理能力も細部が分からない。

以下続報…