「諸概念の迷宮(Things got frantic)」用語集

本編で頻繁に使うロジックと関連用語のまとめ。

【高校数学】「オイラーの原始量(Euler's primitive sweep)」について。

まずはあらゆる空間的概念の原風景として「オイラーの原始量Euler's primitive sweep)=観測原点をすっぽり包む全球型スクリーン」なる概念を仮定します。
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  • 任意の観測原点「」を設置する。この時点ではまだ何も起こってはいない。
    幾何学上の0角形(頂点や辺や面の概念が全て1点上に集約する図形。球表面上においてのみ認識可能)に対応させる向きもあるが、いずれにせよ「有意味な指標」をまだ一つも手に入れてない段階。ここで急浮上してくるのが「有意味なデータの抽出(Extract Significantly result of the data obsertion)」は「無視可能なデータの切り捨て(Reject Ignorableresult of the data obsertion)」と表裏一体の関係にある問題で、このフィルターが「出力ゼロ」の状態を現出させている。

  • 何かが観測されると、たちまち観測原点「」と対象「」とを結ぶ距離1の線分の旋回範囲に(これを半径とする)円周/円や球面/球が現出し「観測原点をすっぽり包む全球型スクリーン」として認識される。「直径2」の概念が芽生える瞬間でもあり、その極限値は観測原点より半径分「」あるいは半周分「π」離れた先に極限値−1」。複素系座標操作でいうところの「1+πi=-1+0i」。これを「オイラーの原始量Euler's primitive sweep)」と認定する。
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    それは人類の想像力を微積分の様な解析学分野や量子力学の世界に誘った数学的直感の源泉でもあったと考えられる。
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  • 数学的に有意味な形で記述される様になるのはオイラーの公式Euler's formulae^θi=Cos(θ)+Sin(θi)の特別解としてオイラーの等式Euler's identitye^πi=(1±πi/N)^N=-1が導出されて以降。
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    ただしそれが数学界におけるコンセンサスとして確定した歴史時点は、以下に述べる様なオイラーの公式Euler's formulae^θi=Cos(θ)+Sin(θi)の発見過程ほど明確な訳ではない。

    オイラーの公式の発見過程

    ネイピア数e2.718282…)に関する最も古い研究は、スコットランド人男爵ジョン・ネイピアJohn Napier, 1550年〜1617年)が1618年に発表した対数研究の付録に収録されていた表となる。ドイツ人数学者ライプニッツGottfried Wilhelm Leibniz、1646年〜1716年)は1690年1691年の書簡の中でこの定数を表すのに記号bを用い、スイス人数学者レオンハルト・オイラーLeonhard Euler, 1707年〜1783年)は1727年から記号eを使い始め1736年力学」の中で公式使用した。後にこれが普及する。
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    スイス人数学者ヨハン・ベルヌーイJohann Bernoulli, 1667年〜1748年)が初めてネイピア数の計算式(1+1/N)^Nを公表し1683年に指数関数を導出。さらにし1702年に対数と複素数の対応可能性について報告。

    1715年イングランドの数学者ブルック・テイラーがテイラー級数 (Taylor series) を公式に導入。その0を中心とする働きについては、18世紀に活躍したスコットランドの数学者コリン・マクローリンの名にちなんでマクローリン級数 (Maclaurin series)と呼ばれる事に。
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    ④ベルヌーイの弟子であったオイラー1740年マクローリン級数 (Maclaurin series)を用いて自然対数と三角関数複素数概念によって結びつける「オイラーの公式」を発見し、1748年にその証明を公式発表。
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    自然対数の発見者として当時最新技術だったマクローリン級数に取り組むうち偶発的に公式e^θi=Cos(θ)+Sin(θi)へと到達した」と揶揄される事もあるオイラーだが、彼は多面体定理v-e+f=2の発見者でもあり、幾何学方面への造詣も深かった。その観点から独自観点でオイラーの原始量Euler's primitive sweep)概念に到達していたとしても驚くには当たらない。

    1811年頃ガウスJohann Carl Friedrich Gauß、1777年〜1855年)が複素数平面(独Komplexe Zahlenebene, 英complex plane) の概念を導入。その功績からガウス平面 (Gaussian plane) と呼ばれる事もある。一方、それに先立つ1806年にJean-Robert Argandも同様の手法を用いたため、アルガン図 (Argand Diagram)とも呼ばれている。さらに、それ以前の1797年Caspar Wesselの書簡にも登場している。このように複素数の幾何的表示はガウス以前にも知られていたが、今日用いられているような形式で複素平面を論じたのはガウスである。三者の名前をとってガウス・アルガン平面、ガウス・ウェッセル平面などとも言われる。そのガウス自身はオイラーの等式Euler's identitye^πi=(1±πi/N)^N=-1についてこの式を見せられた学生がすぐにその意味を理解できなければ、その学生は第一級の数学者には決してなれない(If this formula was not immediately apparent to a student on being told it, the student would never be a first-class mathematician.) 」と述べている。歴史のこの時点における数学界では、既にオイラーの原始量Euler's primitive sweep)概念を数学的に精緻化した極座標polar coordinates system)の振る舞いが当然の常識として受容されていたのである。

     いずれにせよベクトルや線形代数の概念はここから出発する。

  • こうした諸概念の大源流を辿るとカンブリア爆発時代(Cambrian Explosion、5億4200万年前〜5億3000万年前)に「視覚とそれを処理する脊髄ソフトウェアとしては「オイラーの原始量(Euler's primitive sweep)」、すなわち観測原点をスッポリ覆う全球型スクリーンを等して世界そのものに接する認識システム)」を獲得した左右相称動物Bilateria、カニやエビの様な節足動物の先祖筋)の進化が、全身を統括する中枢神経を備えないが故に動作が鈍重な放射相称動物Radiata、ウニやクラゲやイソギンチャクの類)を圧倒する様になり、アノマロカリスAnomalocaris、約5億2,500万- 約5億0,500万年)が生物史上初の「百獣の王食物連鎖の頂点)」として君臨し、その後一切の末裔を残す事なく滅んでいった先例にまで辿り着く。アノマロカリス自体は一切の末裔を残す事なく滅んだが「オイラーの原始量Euler's primitive sweep)」概念自体は以降の脊椎動物Vertebrata)の共通課題として継承され「」を掴んでから手放すまで有意味状態(種や国家や企業やビジネスモデルなどの存続)が続く(逆をいえば、それを手放した瞬間に存続不可能となり霧散を余儀なくされる数理モデルMathematical Models)」の雛形をしっかりと後世に残したのだった。

    ①理論上、その精度改善はクロード・シャノンClaude Elwood Shannon, 1916年〜2001年)の情報理論いうところの1bitすなわち「(何とはなくいずれかの方角に何かある何もない訳ではなさそう)」なる超低解像度状態より始まったと考えられている。光学系(optics)でいうところも絞り(diaphragm)も最低状態からのスタートで被写界深度DOF:Depth of field)も到底十分とはいえない出発地点。とはいえ判定の結果がその個体の生存に直接結びつくいているが故に、当初からそれは真摯に実効性を追求する実践的な取り組みとして発展してきたのである。

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    ②情報量が増えるにつれ、それは「首振り(Zig-zag maneuverなどの無意識的行動の積み重ねによる立体視可能範囲の補完」といった努力を伴いつつ「正面に平面的に投影される情報窓」から次第に「観測原点をすっぽり包む全球型スクリーン」へと発展を遂げていく。その過程で「オイラーの原始量Euler's primitive sweep)」は単純な一点透視図法には還元し得ない複雑怪奇な多様性を備える事になる。

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    ③皮肉にも、この状況こそが(誰もが内面に備える)数学的直感と実際の数学や経済概念の乖離を生んでしまう。元来後者は、前者に導かれる形で数学者や物理学者が発展させてきたのだが、本当に精緻な形で言及しようとすればするほど色々と齟齬を生んでしまう。

    第一の点は、〈数学の概念は、まったく予想外のさまざまな文脈のなかに登場してくる〉ということ。
    The first point is that mathematical concepts turn up in entirely unexpected connections.

    しかも、予想もしなかった文脈に、予想もしなかったほどぴったりと当てはまって、正確に現象を記述してくれることが多いのだ。
    Moreover, they often permit an unexpectedly close and accurate description of the phenomena in these connections.

    第二の点は、予想外の文脈に現れるということと、そしてまた、数学がこれほど役立つ理由を私たちが理解していないことのせいで、〈数学の概念を駆使して、なにか一つの理論が定式化できたとしても、それが唯一の適切な理論なのかどうかがわからない〉ということ。 
    Secondly, just because of this circumstance, and because we do not understand the reasons of their usefulness, we cannot know whether a theory formulated in terms of mathematical concepts is uniquely appropriate.

    この二つの論点をさらに言い直すと〕第一の点は〈数学は自然科学のなかで、ほとんど神秘的なまでに、途方もなく役立っているのに、そのことには何の合理的説明もない〉ということ。
    The first point is that the enormous usefulness of mathematics in the natural sciences is something bordering on the mysterious and that there is no rational explanation for it.

    第二の点は〈数学の概念の、まさにこの奇怪な有用性のせいで、物理学の理論の一意性が疑わしく思えてしまう〉ということ。
    Second, it is just this uncanny usefulness of mathematical concepts that raises the question of the uniqueness of our physical theories.

    こうした「数理モデルMathematical Models)」の特徴を「科学理論の客観性が保証される為には、その仮説が実験や観察によって反証される潜在性を備えていなければならない逆をいえば科学理論とは、現段階ではきちんと反証を退けられている相応に信頼性の高い仮説の集合である)」と要約したカール・ポパーKarl Raimund Poppr, 1902年〜1994年)の信念と結びつけたのが「数理モデル信仰Belief in Mathematical Models)」となる。かくして「生物史上初の百獣の王アノマロカリスが「時代に取り残され滅んだ」存在ではなく「特定時代を生き切った」存在の象徴として復権
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    そう、あくまで「信仰」の問題なので別種の「信仰」によって反対される可能性なら秘めている。しかもそれは「反証が成立されない限り、その仮説を棄却しない」と考える合理主義に立脚する「弱い」信仰なので「真理は最終的に必ず一つでなければならない」と考える「強い」信仰に対して決定的抵抗力を有している訳でもない。
    *これが昨今日本を騒がせている「フクシマ不当差別問題」の本質とも。
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その過程では大航海時代Great Voyage Age、15世紀中頃〜17世紀中頃)到来を契機に欧州で主要経済圏の地中海沿岸地域から大西洋沿岸地域への推移が発生。「天球図・世界地図/海図の完成」に至る流れを加速させる運びとなります。

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①N(分割数)=1の時、観察対象の広がり(Expanse)、すなわち観測原点「」からの視界(Perspective)は、とりあえず観測原点「」から距離「」先で任意の観測点と接する「半径πの円盤」と映る。これはまさに古代メソポタミア地方(チグリス・ユーフラテス川流域)や、エジプト王朝(ナイル川流域)やフェニキア人交易圏(地中海・黒海沿岸全域)や、ギリシャ人植民圏(ギリシャ半島中心にアナトリア半島イタリア半島や南仏まで含む)や、古代ローマ帝国地中海・黒海沿岸に加え中東進出を企てる)や、イスラム文化圏といった地中海沿岸地域を「文明圏」とし、これを「未開人が跋扈する辺境地帯」や「大海の向こう側にある世界の果て絶えず滝の様に海水が流れ続けており、その向こう側で大海蛇(Giant Sea Serpent)が獲物が落ちてくるのを待ってる)」を同心円状に配置した正距方位図法azimuthal equidistant projection)めいた古代地図の背後にあった地理感覚そのもの。

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②Nが増大するにつれ、それは急速に観測原点「」を観察対象「」を中心に覆わんとする半球へと成長を遂げていく。実際には「半球」というより「3/4球」という感じ。そもそも複利計算式(1+1/N)^Nがベースになってるくらいだから、出足の伸びは物凄くグイグイ迫ってくる。かくして大航海時代以降「人類未踏の地」は急速に縮退し、20世紀に入ると南極やチョモランマ山渓、さらには深海や宇宙といった僻地に限定されるまでに至る。

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③Nが十分に増大すると、それは観測原点「」を覆う全球としか映らなくなるが、それでもなお決して極限値−1」に到達する事はない。かくして「人類の認識可能範囲外を跋扈する絶対他者」は海底で眠る巨大怪獣や流星に付着して地球に到達する流行病、不可視の次元より襲来するフランク・ベルナップ・ロング「ティンダロスの猟犬The Hounds of Tindalos、1929年)」における使役動物、さらには電波や放射能の類似物といった特殊な形態でしか存在し得なくなる。

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①その過程で欧州人は天体観測や三角測量の技術を発展させる必要があり、それに不可欠な三角関数などの数表群を出版物に掲載して共有する為にまずはテイラー展開やマクリーン展開や対数関数(常用対数表)が、次いでその原理に従って動作する歯車式コンピューターが発明された。 

そう、まずコンピューターは「世界商品」紙製品の一環として「文書行政」「複式簿記」などと同じ公的カテゴリーに分類される「科学用諸数表」の製作手段の一環として世に現れ、国家間競争が全てと目された「総力戦体制時代第一次世界大戦のあった1910年代から共産主義圏の仲間割れが本格化した1970年代まで)」に(大砲やロケットを飛ばすのに欠かせない)弾道学の計算道具として最初のコモデティ日常品)化を経験したのだった。
*そう、あたかも鉄道網の普及が電信・電話網の最初のインフラ構築に貢献した様に。この様に自滅的過当競争が、全く慮外のパラダイムシフトを引き起こすのが「世界商品」の最大の特徴と言える。

②そして20世紀後半(特に1960年代以降)に入るとタイムシェアリングシステム (Time Sharing System, TSS) 普及を背景に「コンピューターはメインループを有し、その計算リソースを使用ユーザーに公平に割り振る事」という新たな原則が追加される。

タイムシェアリングシステム (Time Sharing System, TSS) - Wikipedia

対話型コンピューティングに大きな影響を与えた論文に、J・C・R・リックライダーが発表した Man-Computer Symbiosis(人間とコンピュータの共生、1960年)がある。しかし実際のTSSの概念の提唱者にはいくつか説がある。

  • ASCIIコードの開発者や2000年問題を世界で初めて指摘した人物としても知られているボブ・バーマーが、1957年初めごろに雑誌の記事でその概念を記述している。

  • また、マサチューセッツ工科大学 (MIT) で数学の教鞭をとっていたジョン・マッカーシーも同様のアイデアをほぼ同時期に思いついている(一説には1959年)。

  • 同じく1959年にはイギリスのコンピュータ科学者クリストファー・ストレイチーがタイムシェアリングシステムの特許を取得している。ただし、ストレイチーの特許はTSSというよりもマルチタスク方式に関するものであるという見方が最近では一般的である。

いずれにしても後世への影響はマッカーシーが一番大きく、後述するCTSSや前述のリックライダーの推進したProject MACは直接影響を受けている。

  • 実際の最初のTSSの開発は、MITのコンピュータ・センターのロバート・ファーノらが行ったもので、1961年11月に Compatible Time Sharing System (CTSS) を開発してデモンストレーションを行った。CTSSは同時に 3人のユーザがコンピュータを使用して独立に処理を行えることを立証。1973年まで実際に使われていた。

  • 最初の商業的に成功し1960年代後半から1970年代前半にかけて最も広く使われたTSSは Dartmouth Time-Sharing SystemDTSS)であり、1964年にダートマス大学で開発された。DTSSは後にゼネラル・エレクトリック (GE) 社が商用化した。DTSSはダートマスBASICの誕生したシステムとしても有名である。

  • また、J・C・R・リックライダーは1962年にARPAの情報処理技術部門を任されると、対話型コンピューティングに関する研究プロジェクトに多額の資金を投入した。そのひとつがMITで行われたProject MACであり、IBMとの共同開発によるTSSが1963年に稼働している。このシステムはすぐに過負荷状態となり、さらなるTSSの開発が計画されたが、IBMはシステム/360をTSS用に改造することに消極的だったため、GEとMITとベル研究所によるMulticsの共同開発が1964年に開始された。

  • またそのIBMも、1960年代後半にはそういったコンピュータの利用法が有用だと認識し「System/360モデル67IBM System/360 Model 67)」という機種を開発する。これは同シリーズの基本設計に、DAT box (DATはDynamic Address Translation(動的アドレス変換)の略。TSSをサポートするのに必須である)を付加したもので、同時にTSSの機能を持つOSである「TSS/360TSS/360)」を開発しリリースした。

  • 1960年代後半になると、「コンピュータ・ユーティリテイ」というコンセプトが話題となる。これはTSSを活用して電話回線でコンピューティングサービスを提供するビジネスである。1967年にはTSSサービス会社が全米で20社にもなったという。しかし、これは一種のバブルであり、1971年には多くの会社の経営が行き詰った(生き残った会社は後にインターネット・サービスプロバイダとなったところもある)。また、Multicsの開発も混迷し、1969年にはベル研究所が手を引き、1970年にはGEがコンピュータ開発そのものから撤退してしまった(Multicsが完成しなかったわけではない)。

ベル研究所Multicsの反省点を生かしてUNIXオペレーティングシステムを開発することになる(現代では、Unix系のようなマルチタスクオペレーティングシステムはTSSとは別のカテゴリとして専ら扱われるが、Unixに関する有名なpaper The UNIX Time-Sharing System のタイトルのように、当初はUnixもTSSの一種として扱われていた)。また、J・C・R・リックライダーの描いた対話型コンピューティングという概念と彼がARPA時代にまいた種は後のインターネットとパーソナルコンピュータに大きな影響を与えた。

*File Transfer Protocol (FTP) の仕様「RFC 354」の定義と実装を経てARPANET上でファイル転送が可能となった1973年にはARPANETトラフィックの75%を電子メールが占めていた。そしてHTTP/0.9(RFC1945,1991年)、HTTP/1.0(RFC 2068,1996年)、HTTP/1.1(RFC 2068,1997年)などで制定されたHTTPが1998年にはインターネット上の通信の75%を占める様になる。

③1970年代にはキャラクユーザインタフェース (character user interface, CUI)の代わりにグラフィカルユーザインタフェースGraphical User InterfaceGUI)を採用し、コンピューター史上殆ど初めてキーボード入力専用の代わりにマウスやトラックボールトラックパッドといったポインティングデバイスを併用した採用した「Alto」が登場したが、パトロン側に「これからは誰もがコンピューターを直接叩く様になる」というビジョンが欠落していた為、せっかくの先行メリットが生かせなかった。
キャラクタユーザインタフェース - Wikipedia
グラフィカルユーザインタフェース - Wikipedia

ゼロックス社長のデヴィッド・カーンズは、のちにアルトのプレゼンテーションを「テクノロジーの祭典」と呼び、「テクノロジーの未来を見たと誰もが口々に言っており、非常に印象深かった」と振り返っている。だが、プレゼンテーションを終えたPARCのチームは、幹部のそんな熱意などまったく感じなかった。

それどころか、その場で実際に体験できる時間を設けた際、アルトの前に座ってキーボードを操作し、マウスを試していたのは、ゼロックスの幹部ではなく彼らの妻たちだった。キーを打つのは女性事務員の仕事と考えているらしい夫たちは心を動かされた様子もなく、腕組みをして会場の端から遠巻きに眺めているだけだった。

研究員のひとりは、ある幹部役員がこう言ったのを耳にしている。「男であんなに早くキーを打てる人間は見たことがないな」。つまり、明らかに目のつけどころを間違えていたのだ。

そう、年老いたゼロックスの役員達は「(1990年代以降加速するパーソナル・コンピューター時代到来の足音」を聞きそびれてしまったのだった。

④そして21世紀に入ってからのインターネット世界における二つの潮流、すなわち(2007年から始まったSNSを流れるデータのリッチ・コンテンツ(静止画、GIF、音声データ、動画)化と、2012年以降本格化したスマートフォンのFirst Scree(何かあると真っ先に確認するメディア)化が新しい流れを決定付ける。

⑤こうした展開全てが「オイラーの原始量Euler's primitive sweep)=観測原点をすっぽり包む全球型スクリーン」概念のコモディティ日常品)化に貢献してきたが、とりわけ貢献度が高いのはFPSFirst Person shooter、観測原点「0」からの視界(perspective)そのもの)やTPS (Third Person shooter、観測対象「-1」から視界(perspective)そのもの)の国際的普及を背景としての(3Dポリゴン描画能力を競い合うGPU開発競争の過当化と、その恩恵を受けた(その計算力の殆どが線形代数的計算に当てられるディープラーニングの驚異的躍進の背景には存在していたのである。
*ここにも自滅的過当競争が、全く慮外のパラダイムシフトを引き起こすの「世界商品」の匂いが…はてさて我々は本当に人類進化の主体なのだろうか?

さて、次のトレンドはテンソルtensor, 独Tensor)となるやらAR/VRとなるやら…

テンソル(英tensor, 独Tensor) - Wikipedia

線形的な量または線形的な幾何概念を一般化したもので、基底を選べば、多次元の配列として表現できるようなものである。しかし、テンソル自身は、特定の座標系によらないで定まる対象である。個々のテンソルについて、対応する量を記述するのに必要な配列の添字の組の数は、そのテンソルの階数とよばれる。

例えば、質量や温度などのスカラー量は階数0のテンソルだと理解される。同様にして力や運動量などのベクトル的な量は階数1のテンソルであり、力や加速度ベクトルの間の異方的な関係などをあらわす線型変換は階数2のテンソルで表される。

物理学や工学においてしばしば「テンソル」と呼ばれているものは、実際には位置や時刻を引数としテンソル量を返す関数である「テンソル」であることに注意しなければならない。いずれにせよテンソル場の理解のためにはテンソルそのものの概念の理解が不可欠である。