「諸概念の迷宮(Things got frantic)」用語集

本編で頻繁に使うロジックと関連用語のまとめ。

【Tumbr全盛期(2010年代前半)年表】その政治的側面?

驚いた事に、たった10年前の話なのに、もう以下の歴史が忘れ去られかけています。既存メディアに至っては、当時も今もこの事件を黙殺し続けてる有様…

どうしてSOPA(Stop Online Piracy Act=オンライン海賊行為防止法案)は無事阻止されたのか?インターネット史においても最も重要な瞬間の一つだった筈なのですが…

Stop Online Piracy Act(SOPA)は、下院司法委員会委員長ラマー・スミス(テキサス州選出・共和党)ほか12名からなる超党派グループにより、2011年10月26日に共同提案されたが廃案になった法案。

2011年3月 東日本大震災

それまでネット民は国内外問わずまだまだ多くが「まとめサイト」にぶら下がって惰眠を貪ってきた。ところが海外では「東日本大震災以降の日本社会の情報発信自粛」の余波で「日本発のニュースを右から左に流すだけでPVを稼いでいたニュースサイトやまとめサイト」が軒並み壊滅し「(自ら積極的に情報収集してその内容を共有する)有識者ネットワーク」がその代わりを務める様に(特にアニメ漫画game系)。「ネットにおけるSOPA反対運動の盛り上がり」はこれらの人々の主導下で始まったといえる。

2011年3月 親殺しの夜(Night of the Parent Killer)

魔法少女まどか☆マギカ(2013年)」最終回放映時、海外掲示板で親世代が「どうしてママは殴ってでも娘を止め、自分が特攻しなかったのか?」「やはりパパが専業主夫の家庭は駄目だ」と言いたい放題批判してたら、ブチ切れた娘世代が片っ端から「どうして今でも自分達が物語の主人公と誤解してる訳?(観測範囲でN=1000くらい)」「まどかパパのつくるオムライスは最強なんだから!!(観測範囲でN=60くらい)」「ママが代わりに特攻して果てても「破壊王定光」になるだけじゃない!!(観測範囲でN=1くらい)」といった(アカウントを登録しないでも投稿可能な)匿名反論コメントで埋め尽くした事件。当時実物を見て回ったが、まるで洪水の様な有様でいくつかの掲示板はそのままサービス停止に追い込まれてしまった。とはいえまぁ、そもそもSNS台頭によって既存の掲示板サービスは駆逐される過程にあり、この事件はその流れを加速した程度だったとも推測される。

  • ちなみに、ここで叩かれた「掲示板上の親世代」については2000年代末にまで遡る「NETFLIX郵便DVD事業撤退反対運動(2008年)」や「GAPロゴ変更騒動」の主犯だった疑いを掛けられている。「Net Powerの交代」という意味合いからも重要な展開だったと言えよう。

ちなみに海外インターネットでここまで親娘関係が悪化したのは、Facebookが調子に乗って親側から要請されるまま「子供の監視機能」を強化し続けた結果、子供達が Facebookには何も書き込まずtumbrなどの匿名サイトへ逃げ込んだせいでもあった。ただしこうした変化が数字として観測される様になるまで数年のタイムラグが存在。

その背景にはFacebookマーケティング上基底としていたグラフ理論(Graph Theory)上のモデルの欠陥もあったと推測されている。

2011年5月 4chan-Tumblr戦争

以降繰り返される紛争の最初にして(おそらく)最も激しかった奴(なにしろ発言上のイニチアシブ権の争奪戦だった)。現場に居たが、実際にあったのは単身で戦う事しか知らない4chan系新造アカウントに対する(暴走リベラルとの戦いの過程で数千人〜数万人の単位で敵を包囲殲滅する集団戦術を発展させた)各個撃破と彼らの味方への引き込みに過ぎなかった。その過程で多くのTumblrアカウントが数百〜数万の追加Followerを獲得。

2011年9月~11月 「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」運動

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彼らは「アニメ漫画GAME系ファン層」の合流を当然視していたがそれは起こらなかった。それで「可愛さ余って憎さ百倍」の感情が暴走し「富裕層の偽善の象徴たるバットマンに一度でも心を寄せた事のあるアメリカ人全員に死を」なんぞと言い出して関係が完全に決裂。まさしく「The Dark Knight Rises(2012年)」で語られた地獄絵図?

  • こうした一連の運動のうち、その大元になったスペインのM15運動(2011年5月)と台湾のひまわり学生運動(2014年)は水面化で体制側と通じて落とし所を探る事で成功裏に終わっている。一方、カナダ主導部が「体制側とは一切交渉しない」方針を打ち出したニューヨークのウォール街を占拠せよ運動(2011年9月~11月)、トルコのタクシム広場選挙運動(2013年)、香港の雨傘運動(2014年)は玉砕に追い込まれた。

  • ミュージカル映画レ・ミゼラブル(2012年)」の影響で香港とトルコでは玉砕に際して「Do You Hear the People Sing?」が歌われ、以降「左翼の戦陣訓」として忌避される流れが生まれ他とされる事も。


    しかし実は映画「レ・ミゼラブル(2012年)」公開に際してSNS上の若者達が喜んで回覧した曲のリストに既に「Do You Hear the People Sing?」は含まれていなかった。この曲の同調圧力性を忌避する傾向はそれ以前から存在していた?

2011年10月 米国議会にSOPAが提案される。

ネット産業らによるアンチSOPAキャンペーンが最初のピークに達したのは、2011年11月16日American Censorship Day(米国検閲の日)だった。これは、下院司法委員会のSOPAヒアリングに合わせたもので、GoogleFacebookTwitter、AOL、Yahoo!Mozilla、eBayなどによるSOPA反対の共同声明の発表や、EFFらによる議員への陳情呼びかけキャンペーン等が展開された。

tumblrのデータエンジニアAdam Laiacanoは、このキャンペーンが開始されてすぐに、tumblrに「SOPA」や「censorship」に言及するポストが激増したと伝えている。

それ自体は終始「10万回覧規模」の集団に過ぎなかったが、逆をいえば「自力のみで10万回覧規模までは到達可能」である事により発言上のイニチアシブを獲得していったともいえる。

2012年1月 FBIが「違法ダウンロードサイト」としてMEGAUPLOADをサービス停止に追い込んだ結果、SOPA反対運動が急激に盛り上がり「100万回覧規模」に到達する。

MEGAUPLOAD(メガアップロード)は、香港にある企業名及び、同社が提供していたオンラインストレージサービスの名称。違法ダウンロードの温床となっていたとして2012年1月にアメリカ司法省とFBIによってサイトが封鎖される。

2012年1月 アメリ連邦議会がSOPAの採決延期。

1月にアメリ連邦議会で採決が予定されていたPIPA(Protect Intellectual Property Act=知的財産権保護法案)とSOPA(Stop Online Piracy Act=オンライン海賊行為防止法案)の2つは,法案の内容がインターネットの検閲にあたり,自由な情報の流通を妨げるとして,GoogleTwitterなどのIT企業や多くのネットユーザーから反対の声が上がり,議会は採決延期を余儀なくされた。ネットの世論が,ワシントンを舞台にした既成勢力による法律制定を実際に阻止した動きとして注目される。

2012年2月 「アメコミヒーロースーパーマンが既存メディアへの抗議と新たに台頭しつつあるネットメディアへの賛同の意味を込めて「新聞社を退社」。この時点ではまだまだ既存メディア側にやり返すだけの余裕があったものである(後に全削除)。

しかしながら以降の「かかるPowerを政治的に利用しようとする試み」は全て失敗に終わり、既存メディアもGAFAもこの種の試みを「鶏肋」とみなす様に。

2013年10月 米国政府閉鎖(government shutdown)。

この層が「政治的に一丸となって」蜂起した最後。事件を引き起こした(高年齢の富裕層を中心とする)ティー・パーティと、9月24日午後に21時間以上にわたる演説(フィリバスター)を行って閉鎖阻止の目論見を潰したテッド・クルーズ(Rafael Edward "Ted" Cruz)上院議員を徹底して叩いた。運動自体は彼の大統領選出馬表明(2015年)以降も執拗に続く。

こうした反対意見が多方面から上がり、それまで最有力視されていた彼の大統領選出馬の目がなくなった結果、アウトサイダー陣営から台頭してきたのが「トランプ大統領候補」なのであった。しかしながら大統領選(2016年)が近づくにつれ、このSNS上の大集団は自らが政治的には「中道左派中道右派の野合」である事を強く意識する様になり、内部分裂もあって政治的影響力を失っていく。

今回の投稿の発端は以下のTweet

そして

こういう指摘も。

こういう指摘も。

さらにはこんな話まで。

こういう話も。

当然、こうした矛盾の鬱積は正義を自壊させてしまうのです。

あちゃ〜

ここに乱入。

要するにアメリカでは「既存メディアの終焉」が以降、急激に進行…

それ自体は「10万回覧規模」に過ぎませんでしたが、逆をいえば自力のみで「10万回覧規模」までは到達可能だった事から発言上のイニチアシブを獲得していったのでした。

そう、以降の「かかるPowerを政治的に利用しようとする試み」は全て失敗に終わったのでした。それで既存メディアもGAFAも同種の試みを「鶏肋」とみなす様に。

同種の決別ならアメリカでも起こってますね。

そんな感じで以下続報…