「情報がまとまってない」と指摘されてしまったのでやらずにはいられなくなった「古代オリエント神話へのみさくら文法導入」。ここでいう「みさくら文法」の特徴は…
①「みさくら文法」最大の特徴は「屈服させる側」と「屈服する側」を峻別しつつ、かつ「屈服させる側を不可視化する」その権威主義的態度にある。
- そう、ここでは「権威主義的態度=服従させる側が服従させられる側の視野から完全に自らを消し去り、全てを服従させられる側の主体的意識の問題に還元する様な認識的態度」なる過程を採用する。権威主義的立場からの要請は常に理不尽であり、従って必ずそれに服従しようとする態度も、抵抗しようとする態度も支離滅裂なものとならざるを得ない。それにも関わらず服従させられる側はその全てを自らの自由選択の問題として捉える事を強要され、認識上の判断ミスを重ね、最終的にははからずしも服従させられる側の意図に従う結果を迎える。
- 簡単にいうと歌舞伎演目「八百屋お七」などにおける「人形振り」を、この演算子としての「らめぇ」概念と重ね様という試みである。伝統的作劇上は「(他者との対話を一才含まず、支離滅裂でまとまりのない)言葉にならない独白」が勝手に振る舞いに出て事態を展開させてしまう客観的描写として描かれるのを常とした。そう、この状態では当事者の自我を混乱に陥れている超自我的介入が「権力者の強制」によるものか「(自らが意識的/無意識的に定めた)行動規範のバグ(判定は正しいなのに実践出来ない/判定は間違っているなのに実践してしまう)」なのか、はたまた本当に超自然的意志の介入なのか一切区別出来ないのが恐ろしいという…
②そして本稿ではこれを古代メソポタミア文明において「都市国家を維持する力」とされた「文明の恵みメー」を出発点としながら、都市国家崩壊後も「人を屈服させる力」として存続した何かを表現するのに用いる事とする。
- こちらの背景にはイヴン・ハルドゥーンの王朝交代論が存在する。
- 反体制勢力は中央政権の視界外となる過酷な生存環境で育ち、その強靭な部族的紐帯を武器に中央政権を攻め滅ぼすが、トロフィとして勝ち取られ「贅沢な生活」を保障してくれる「国家なる生産-消費システム」には絡め取られてしまい、肝心の部族的紐帯を弱めながら、新たに予想外の方向から現れる挑戦者に打ち取られて滅ぼされる日を待つという。
- そうした時代は一応「広域を支配する多民族帝国」が現れると終焉を迎えるが、イスラム文化圏ではアッバース朝(750年~1258年)が形骸化して以降、ほぼ同じ内容の「テュルク=タジーク二重支配体制」が復活する展開を迎える。
③ここで重要な前提となるのが「(アナール派などが研究を積み重ねてきた)地中海文化系における信仰様式の連続性」。
紀元後1世紀、フェニキアの歴史家。エウセビオスの『福音の準備』に引用されて伝存しているフェニキア宗教史は特に重要である。
- この地域独特の政教一致体制を前提としてフェニキア商圏が樹立し、その東部を食い取る形でギリシャ商圏が誕生し、かつその内部でドーリア商圏からアテナイ商圏への推移があり、最終的にはアレキサンダー遠征が生んだヘレニズム文化圏の多くが帝政ローマに併合されて終わる。
今回の投稿の発端は以下のtweet。
個人的メモ。「みさくら語でバーバラ・ウォーカー系神話体系について語るとどうなるか?」というアイディアに取り憑かれてしまいました。とりあえず述語「らめぇ」を「(配偶者の片方を半年冥界送りにする)豊穣儀礼」に対応させましょう。https://t.co/apGOADKQcF
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
古代エジプト神話①「聖家族」原型は太陽神ラー(♂)とその配偶神ハトホル(♀)の子供ホルス(♂)がファラオを守護する「三位一体」形式。しかしやがてファラオが独占してきた死後の冥福を祈る秘法が「死者の書」として流出。これを司る冥界神オシリスが爆誕(オシリス革命)。https://t.co/8BQIB4g9kd
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
古代エジプト神話②その配偶神イシス(♀)は当初「死者の書」で冥界神オシリスに添書きされる女助手に過ぎなかったが、冥界神オシリス(♂)を「らめぇ」して権威性を確保。太陽神ラー(♂)から「天体運行の秘法」を盗み、ハトホルを「異界との境界と鉱山の守護神」に落とす。https://t.co/IVjAPUiaRA
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古代エジプト神話③プトレオマイオス朝エジプトはギリシャ神話の冥界神ハデス(♂)とエジプト神話の冥界神オシリス(♂)を習合して冥界神セラピス(♂)を創造。配偶神イシス(♀)が「冥界の女王ペルセポネ」をも習合してさらに強まり、逆にギリシャも含む地中海全域に広がる。https://t.co/4rN6HZcF3C
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
古代メソポタミア神話①それまで都市国家エリドゥの守護神エンキ(♂)に「らめぇ」されてきた婢女イナンナ(♀)が脱走して都市国家ウルクの守護神に。牧畜神ドゥムジ=タンムーズ(♂)と農耕神エンキドゥ(♂)が「らめぇ」権を争いドゥムジ=タンムーズ(♂)勝利(シュメール神話)。https://t.co/JihK5ZtyGS
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
古代メソポタミア神話②地上ではウルクの英雄王ギルガメシュ(♂)がイナンナ(♀)に「らめぇ」されるのを拒絶した為シュメール統一に失敗。結局メソポタミア南部全体をアッカドのサルゴン1世が統一する運びとなる。https://t.co/CWRAYHa1OQ
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
その王女にしてウル市の月神ナンナの神官だったエンヘドゥアンナがウルクの守護神イナンナ(♀)とアッカドにおける性愛と戦争の神イシュタル(♀)を習合し地母神化に成功。シュメールとアッカドは以降一体化の道を辿る(アッカド神話)。https://t.co/8LSdQHKeHC
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古代メソポタミア神話③結局メソポタミアの南半分は(唯一神マルドゥクを奉じる)バビロンが、北半分は(土地神アッシュールを奉じる)アッシリアの支配下に。「紀元前1200年のカタストロフ」で古代エジプト王朝とヒッタイトが共倒れに終わるとメソポタミアの都市国家文明も衰退。https://t.co/tci1m6vs3v
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
するとこれまで「らめぇ」されてきた牧畜神ドゥムジ=タンムーズ(♂)が在野の破壊神ネルガルに転生して逆襲を開始。バビロンの都市守護神マルドゥク同様零落した地母神イナンナ=イシュタル(♀)の妹たる冥界神エレシュキガル(♀)を「らめぇ」する形で権威性を獲得する。https://t.co/VgoIzrwfcm
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その後、破壊神ネルガルと冥界の女王エレシュキガルの神話はアナトリア半島に伝わり「冥界の女王ペルセポネ(♀)を「らめぇ」するヘラクレス」の物語に変化。https://t.co/NT711cjpii
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そう、時代はまさに「紀元前1200年のカタストロフ」のどさくさに紛れて地中海商圏を獲得したフェニキア商人に新興のギリシャ商人が牙を剥く時代に突入。https://t.co/sPGnT6t1EL
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
古代アテナイ神話①一方、東方化様式時代にヘラクレスを奉じる様になったドーリア商圏に対抗してアテナイでは「冥界の女王ペルセポネー(♀)を「らめぇ」しようとする英雄王テセウス(♂)の物語」が生み出された。https://t.co/R7ry15xRyO
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
アテナイ文化圏にはエレウシースの秘儀の由来たる「地母神デメテルの娘コレーが冥界神ハデスに「らめぇ」される神話」があるのに何とも節操がない話である。https://t.co/hEd9uztFn0
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
実はこの節操のなさこそが「ゼロから成り上がり、ギリシャ文化の文献化に貢献しつつ、思うより早く勢いを失った」アテナイの神話の特徴。https://t.co/gNqu6ynUF3
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
古代アテナイ神話②例えばフルリ族の神に由来するアナトリア半島の地母神キュベレーは配偶神アッティスを「らめぇ」する訳だが…https://t.co/5ryLRux6K2
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
古代アテナイ悲劇を代表するエウリピデス「バッカスの信女」ではその秘技を継承する「新興宗教の教祖」デュオニソスが(当時ペロポネソス戦争で敵国だった)テーバイ王ペンテウスに女装させ、信女の逆鱗に触れさせる事で八つ裂きにする。https://t.co/ytOofVJchR
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
そもそも当時のアテナイにおいてデュオニソスは「(葡萄やオリーブの農園を経営する地主階層に嫌われた、外国人の陶工や商人の崇める)夷狄の神」だったので、それがディオニュシア祭に掛けられる演劇の大半の主題だったのにも関わらず、後世にはこれしか内容が伝わってない。https://t.co/x8XPbGUx1s
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
古代アテナイ神話③同じくシリア半島では美男子アドニス(♂)を「らめぇ」する地母神として伝えられるコリントの航海守護神アフロディテ(♀)も、そのコリントがペロポネソス戦争でアテナイを経済封鎖によって陥落させた主敵だったので「悪役」としてのみ登場。https://t.co/viCOWDD5dK
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
だが最終的に地中海文化圏の覇者となり帝政に移行した古代ローマの最初の皇統はこのアフロディテ(♀)に「らめぇ」されたトロイアの王子(♂)を始祖と仰いでおり、だから一旦は滅ぼし尽くされたコリントも復興したが、その地は…https://t.co/WO7UaEzHzW
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
いわゆるヘレニズム系ユダヤ人(ギリシャ人同士のディアドッコイ戦争に兵士や役人として駆り出され、特にプトレオマイオス朝ギリシャで文化的成果を上げた「ヘブライ語を忘れたユダヤ人」)の楽園として栄え、初期キリスト教揺籃の地となったのである。https://t.co/4EJzb3lLib
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
古代ローマ時代のキリスト教①帝政ローマではアフロディテ(♀)を信奉する皇統が途絶えて以降の内乱を通じて「宗教的中心の不在」が問題視される様になり、やがて「キリスト教による統合」なる結論に到達する訳だが…https://t.co/7Vq10gHqU6
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
地中海文化圏に横溢する「らめぇ」文化こと「バール=バーラト信仰」の影響から完全に脱する事は出来なかった。まず「聖家族」「三位一体」概念そのものが(古代ギリシャ系列の神話を習合した)地母神イシス信仰の影響を受けている。https://t.co/DtNplCxwqd
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
そして「キュベレーの神殿」を接収して建てられた大聖堂は「黒いマリア信仰」の拠点と化し、地母神信仰の影響を根絶する為に教会は「聖家族」イメージの代替物として「父と精霊と息子の三位一体イメージ」を用意したのだった。https://t.co/XEQR2hxZhL
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
これにさらに「マリアの母アン」信仰が加わってくるからややこしい。
そもそも歴史のこの時点におけるキリスト教は…
以下のサイトの批判的検証を重ねつつ抽出したストーリーの一つ。「らめぇ」は調べれば調べるほど本当に「らめぇ」としか思えなくなってくるので、誰かこのネタで薄い本を出してください。https://t.co/eczHhlBX5E
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
以前の投稿で述べた「ヘスティアの紐」ネタが「イシス結び」ネタに派生して開いた「地獄の釜」とはまさにこの話だったのです。https://t.co/bS4lqAyCz7
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
X「地獄の釜」○「地獄の封印」。ヘスティアさんもイシスさんも帝政ローマ統治下では同じ「主婦の守護神」であり信仰内容も習合していた可能性が高いので生じた連想だったのですね。https://t.co/O4udNC3WgH
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
実はこれ「キリスト教系倫理VSペイガニズム」みたいな深刻な宗教対立を背景としてる訳ですが、日本だとFGOでエレシュキガルさんの「らめぇ」度が知れ渡ってるせいで「実は(バール=バーラト系って)全系譜を通じて全部アレ」と説明した方が早いという。https://t.co/UutWgMrS7P
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日
「そりゃギルガメシュさんもクー・フーリンさんも逃げ出すわ!!」という話で、そういえば未完に終わった「D'arc ジャンヌダルク伝(原作酒見賢一, 作画近藤勝也)」も完全にこっち系の話だった訳です。https://t.co/PKz4oRcCFR
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月13日