「諸概念の迷宮(Things got frantic)」用語集

本編で頻繁に使うロジックと関連用語のまとめ。

【用語集】「ダメンズ・メーカー」からの脱却?

「何故私が怒ってるか、ちゃんと分かってる?」

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以前「だめんず・うぉ~か~」という言葉(マンガ)が流行りました。ダメ男(ダメンズ)ばかりを渡り歩く(ウォーカー)女のことを言ってるみたいなのですが、実はこれ、渡り歩くというよりも「作る」と考えた方がわかりやすいのです。

だから、ダメンズうぉーかー」ではなくダメンズメーカー」。これはどういうことかと言うと、「ダメンズ」つまりダメな男を「作り出す女」です。

ダメンスメーカーの特徴は以下です。

  • 自分が役に立ちたい女
  • 自分が役に立つ女だと思いたい女
  • 自分のことをすごいと思いたい女

冷静に考えるとわかるのですが、自分の周りが素晴らしい男ばかりだとその女は「役に立つチャンス」がないのです。だって出来るやつばかりですから。だから「自分が役に立つ女」になるためには「ダメンズ」が「必要」になるわけです。

山田:最初に、ザックリ言ってしまうと、ちょっとイカれた変わり者が、何でもかんでも病名を付けられるというトレンドが、ここ20年ぐらいあるわけ。

実際のところ、本当に障害なのか病気なのかは、定かではないし、専門家によっては、意見が分かれているんだけど、いわゆるアスペルガーヒーローみたいな人達が活躍する時代というのがあるのよ。

ザックリと特徴を言うと、ずば抜けた能力がある。これは、合理的な能力。分析力、直感力も含めて、能力は高いんだよね。スペックが高いという。だけど、共感力に欠ける。つまり、自分だけの世界にいて、美意識が高く、どこか人を馬鹿にしている。

で、のろまな人を馬鹿にしているっていうようなキャラクターで、これがまさに新作『シャーロック』のカンバーバッチがやった当たり役がまさにそうで、あれは、見ていて気持ちいい位、人の気持ちなんてどうでもいい。だけど、「どこか寂しい」というところが、見事な萌ポイントなんですよね。

「出来るけど孤独なやつ」というのが、流行っているんだよ。これ、『デスノート』のLなんかも、入ってくると思うし、『相棒』の右京さんも、ちょっと入ってくる。


乙君:右京さん完全にアスペルガーですよ。自分の興味のある事件しか調べないですから。

山田:そうすると、アスペルガーっていうのはバディー物に向いてるんだよ。クールでバンバンやっていく人の横に、一般的な人情派が付く。だから、『シャーロック』は見事。

ハイスペな嫌なヤツキャラって現実社会にもやっぱりいて、ホリエモンや、ひろゆきさんなんかも、割りとその属性の中に入るんじゃないかと。だから、「馬鹿が嫌いなんだよね」と、やたら言う。

こういう、能力が高くて人のことを馬鹿にしていて、上昇志向があるキャラクターって昔だったら、敵キャラでしょ? ムスカでしょ?

乙君:ああー! ムスカはそうかもしれない。

山田:そう、「人がゴミのよう」なんだよ。世界はワシのものだ。愚民ども馬鹿め、夢など見よって。世界は残酷なのだよ。みたいなことを言うボスキャラが、なぜか主人公と入れ替わったんだよね。

能力はあるんだけど、上手く人と関われない、ひとりぼっち。女の子からしたら萌えポイントなんですよ。「私がなんとかしてあげたい!」

これをひっくり返すと、メンヘラ女子キャラと同じなんだよね。「超絶美少女なのに友達が一人もいない」、これは普通は近づいちゃいけない案件です。だけど、これは男の子たちのヒーロースイッチが押されるわけ「俺だけはわかってあげるぜ君を」

一同:(笑)


山田:美少女の孤独=萌え、みたいな。これがたぶん、「弱点を持っているけど、特質した能力がある主人公」っていう今の流行りの系譜なんじゃないかと思うんだよ。

能力の高い、スペックの高い男は、孤独・かっこいい、それを癒やしたい女。そういう男と船に乗れば、ある程度スケールの大きな旅ができるわけ。で、その人は、浮気できないですからね。友達もいないし。

乙君:ほー、安牌なんだ。

山田:だから、これ女子に人気があるのは、当然なんだよね。

とはいえ、そこには自ずから限界も。

そして以下は、 女性自身によるかかる「ダメンズ・ウォーカー(メーカー)」からの脱脚史となります。

  • アメリカ合衆国の心理学者ダン・カイリーが著した「ピーターパン症候群:なぜ、彼らは大人になれないのか(The Peter Pan Syndrome: Men Who Have Never Grown Up、1983年)」「ウェンディ・ジレンマ:"愛の罠"から抜け出すために(The Wendy Dilemma: When Women Stop Mothering Their Men, 1984)」はティンカー・ベルを自立した女性像として打ち出したが、第三世代フェミニストは「なんだかんだ言いながらティンカー・ベルはまだまだピーターパンに精神依存している」「そもそもピーターパンのティンカー・ベルの扱いがまるで道具みたいなのが気に入らない」とし、むしろ自分達の象徴として「メトロイド・シリーズ (Metroid series, 1986年~)」のサムス・アラン(Samus Aran)が選ばれ、休日「ベットでゴロゴロしながら料理したり、洗濯したり、パソコンを叩いている(男の影なし)」姿が好んで二次創作画像として投稿された(最近はサムス×ピーチ姫とかサムス×スネーク辺りが基調らしい。いずれにせよ何か「妖艶なお姉さん」キャラに進化した感がある…♪巡る~巡る~時代は巡る~)。

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    その一方では筋肉キャラ化…

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    その一方でティンカーベル的存在はPDA(Personal Digital(Data) Assistant=携帯情報端末)の延長線上に現れるであろう未来のアバター的インタフェイスに同一視されていく流れを迎える。ちなみに2010年代の国際SNS上に滞留していた匿名アカウントの多くはPDAの概念を1990年代ポケモンのトレーナーが携帯するポケモン図鑑に付随するメッセンジャー機能(各トレーナーの連絡先を登録しておき、適時連絡が取れる)から得たと主張していた。
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  • 夫は家に金も入れず趣味で放浪の旅を続け、帰ってくるのは子作りの時くらい」なるドラゴンボール的家族観。なので登場する妻は基本的に実家が太い。

    しかしこの考え方は2010年代の中国には通用しなかったのである。

  • 魔女に生まれついた以上「生まれつき異質な魔女を好きになってくれる男性なんて生涯独自の浪漫を追求し続ける享楽的な変わり者ばかりで、そこは我慢しないといけない部分」と割り切る伝統的諦観を強要される角野栄子魔女の宅急便シリーズ1989年〜2009年)」の世界。アニメ中にもヒロインが最初の箒を喪失する場面があるが、原作では(アニメ版同様、人命救助が掛かった場面なのに関わらず)「未来の夫」トンボさんが「どんなに飛行熱があっても血統が伴わないと箒で飛べない」事に嫉妬してへし折るのだった。そん人間のクズを許してしまうどころか結婚までしてしまう、まさに典型的ダメンズメーカー…

  • トレーナーなるもの男性なら現地妻、女性なら現地夫を無数に擁して生まれた子供はそちらに預けていく」なる価値観が徹底したポケモンの家族観(奇しくも在地有力者が自らを神の末裔と称する起源譚を集めた出雲国風土記の世界観と重なる。こちらも男神は現地妻を得て、女神は現地夫を得て子供を残して立ち去るのである)。とりあえず男女平等の理念こそ遵守されているとはいえるが、現実には中々パートナーが戻ってこない配偶者を狙う「寝取り派」の暗躍も…要するにトロイア戦争や十字軍時代欧州で見られた構造の再生産?

  •  またレディコミの世界では1990年代女性が自分から異性を求めるのははしたない」なる規範を破る為の強姦物や緊縛物が一時期トレンドとなったが、女性の性意識解放が進むにつれ下火になっていく。

    レディースコミックの元祖は1979年創刊の『Be in LOVE』(講談社)であるとされる。 1981年にはFor Lady(小学館)が創刊されるなど、1980年代前半くらいに、少女漫画の読者層よりも上の年齢を対象とする女性漫画が急拡大してジャンルとして定着した。その中で文芸的に評価される作品も生まれる一方、性描写を主眼とする作品が1980年代後半から現れはじめた。

    1980年代のレディースコミックの大半は物語の中で性行為自体は行われていても、具体的な描写は伴わずに前後だけを描いてほのめかすだけのものが多かったが、それまで少女漫画を発行したことのない出版社(女性週刊誌や成人漫画を発行していた出版社が多い)も参入し、大手出版社からの雑誌と差別化するため性描写を激化させた。それにより、男性雑誌がレディースコミックを「過激な性描写を含む女性向けの漫画誌がある」と過剰な取り上げ方をした結果、そのようなイメージを排斥するため大手出版社の雑誌は性描写をなるべく行わない方向に舵をきった反面、性描写を売りにしていた雑誌は積極的にポルノとしての面を強調するようになり、それが現在の(過激な性描写を含む女性向け漫画という意味での)レディコミの流れとなった。

    上記の過程で内容が二極化した頃には、表紙が写真のものは性的なもの、漫画家のイラストのものはソフトなものという棲み分けも見られた。そうした過渡期を経て、現在では別個のジャンルとして確立している。女性漫画でも性描写自体はそれほど珍しい物ではないが、男女性器の直接描写の有無によって両者は区別される。

    本来は少女漫画の読者層より上の世代の為の女性漫画であったものが、性描写の過激さが行き詰まり、このジャンル自体が早々に閉塞してしまったとされる。なお、大人の女性向け漫画である本ジャンルと少女漫画の間を埋める大人の女性向け少女漫画として、1990年代にヤング・レディースというジャンルが生まれている。

    レディコミでは作中の女性人物が、強姦されたり緊縛されるなどマゾヒスティックな立場におかれることが多いが、漫画評論家藤本由香里によれば「女性が自分から異性を求めるのははしたない」という規範が存在するため、男性に強制されるという形で性行為を描く必要があるという。

    また、レディコミ専門の編集プロダクションも存在している。

そういえば、全盛期を過ぎた2000年代の「FEEL YOUNG(1989年~)」は一時期、全部の粗筋が「最初に結婚した相手がDV夫で、離婚してシングルマザーとなる。新たな生活環境で気になる男性が現れたが、過去が過去だけに中々関係が進まない」で、周期だけが異なるという悲惨な有様でした(多くの作品が編プロ・シュープリームスのプロデュースを受けていた)。本当の意味で何をすれば良いか分からなくなってしまった 時期だったのでしょう。今から思えばケータイ小説十代女子の心を掴んで急伸したのは、まさにこの 時期だったのです。

祥伝社から発売されているヤング女性向けの漫画雑誌。発売日は毎月8日(日曜日の場合は7日)。略称「フィーヤン」。

先だって発行されていた『FEEL』(現在休刊)の姉妹誌として1989年に創刊。読者は2011年時点で23〜29歳女性が中心であった。レディコミバブルとも呼ばれたブーム終焉後、大手出版社以外の競合誌が休廃刊する中で、それまで青年誌を中心に活躍していた岡崎京子内田春菊やまだないと南Q太らを迎える。少女漫画界で伸び悩んでいた安野モヨコをブレイクさせるなど、質の高い誌面を維持し生き残った。現在では誌名に「ヤング」が含まれる唯一のヤングレディース誌である。 2011年3月号よりコミック誌で初めて紙と電子版の同時販売を開始した。

Deep Love』シリーズは、Yoshiの個人サイト「ザブン」上で2000年10月から公開し始め、女子高生を中心に口コミで話題になっていった。その後、Yoshiは書籍版を自費出版して10万部を売り上げ、2002年にはスターツ出版から商業出版物として第1巻が出版されて、最終的にはシリーズ累計売り上げが270万部をこえる大ヒットとなった

自費出版を行った背景には、当時は携帯電話のパケット定額制がなく「携帯サイト上で読むとお金がかかるから書籍で出して欲しい」という読者からの要望があった。

ケータイ小説全般に見られる、文字数が少ない・文が短いといった文体上の特徴や次々と衝撃的な事件が起こって展開が早いといった内容の特徴、さらに10代の少女をメインターゲットとして想定することはこの作品ですでにみられる特徴であり、のちの(リアル系ケータイ小説のフォーマットを決定付けたといえる。本田透は、リアル系ケータイ小説において頻出のイベントである売春レイプ妊娠薬物不治の病自殺真実の愛の7つを「ケータイ小説七つの大罪」と呼んでおり、本作は第1部だけで全ての大罪が描かれている。

yoshiは作品の連載中に多くの読者から感想をもらい、その中に記されている読者の実体験を作品の続きのストーリーに取り入れながら執筆したと述べており、これが非常にスピーディなストーリー進行となった理由の一つとも考えられる。スターツ出版から書籍化されるあたり、内容に含まれる過激な性描写が社内でも問題視されたが、Yoshiの元に読者からの大量のメールが届くほど多くの人の心を動かした作品だということが書籍化の決め手となった。