生物が「観測原点をすっぽり包む全球型スクリーン」に自らの生存可能性を委ねる様になったのはカンブリア爆発期(約5億4200万年前〜約4億8830万年前)以降、動きの鈍重な放射相称動物(Radiata、ウニやクラゲやイソギンチャクの類)から「目と視覚情報を処理する脊椎」を備えた左右相称動物(Bilateria、カニやエビの様な節足動物の先祖筋)が分化して以降といわれています。
そして人類の知的探究心が当時起こったパラダイムシフトをその視野に捉えたのはオイラーの等式、すなわち「e^pi*i=-1」の方程式によって「(自然対数eを中心に展開する)指数・対数関数の世界」や「(円周率πを中心に展開する)三角関数の世界」を「複素数の世界(すなわち現実には存在しないが、上掲のプロセスを経て生物にプリセットされた極座標系)」の発見を契機とするとも。
①任意の観測原点「0」を設置する。この時点ではまだ何も起こってはいない。
- 幾何学上の0角形(頂点や辺や面の概念が全て1点上に集約)に対応させる向きも。
- 「有意味な指標」をまだ一つも手に入れてない段階に過ぎないとも。
*ここで急浮上してくるのが「有意味なデータの抽出(Extract Significantly result of the data obsertion)」は「無視可能なデータの切り捨て(Reject Ignorableresult of the data obsertion)」と表裏一体の関係にあるという問題。
②何かが観測されると、観測原点「0」と対象「1」とを結ぶ距離1の線分の旋回範囲に(これを半径とする)円周/円や球面/球を形成する「オイラーの原始量(Euler's primitive sweep)」が現出し「観測原点をすっぽり包む全球型スクリーン」の構築が始まる。
- 実はオイラーの等式には「-1=1/root,0=root/root,1=root」なる対数尺度から「1」の概念だけ抽出して(N次元の直交座標や極座標が依存する)連続尺度に接続する効果もあった。かかるパラダイムシフトを成功に導いたのが「半径一の円の直径は2であるべき」なる直感を上手く援用した「2」の概念の巧みな導入だが、案外証明が難しい。実はこうした直感の大源流もまたカンブリア爆発期における「眼と視覚情報を処理する脊髄」まで遡るのかもしれない。そう両手が備わって左右の感覚が発生するのもこの時代以降だからである…
クラゲのように上下の区別しかない放射相称動物は移動に適しておらず、移動に適しているのは上下に加え左右の区別もある左右相称動物であるというのも非常に頷けた。左右の区別があるということは自ずと前後の区別も為されてるってことだもんな。
— クスクス氏 (@Don_Ra_) April 9, 2019(ほぼ)左右対称の棘皮動物たち。昨日クモヒトデの専門家に聞いたところ、二次的に(五)放射相称になったクモヒトデには前後方向とか、利き腕といったものはないかのように見えるとのこと。五放射相称動物は「すべてが利き腕」! https://t.co/2bSIQHerzf
— 中島保寿 (@japanfossil) June 4, 2018
③そしてかかる観測原点より半径分「1」あるいは半周分「π」離れた先に極限値「−1」が想定される。複素系座標操作でいうところの「1+πi=-1+0i」。
*それはまさに「人類には認識不可能な領域を跋扈する絶対他者」の領域…
統計言語Rによる視覚化
#オイラーの原始量(Euler's primitive sweep)
theta <- seq(pi, -pi, length=360)
plot(cos(theta), sin(theta), type="l",col=rgb(0,1,0), main="Euler's primitive sweep", xlab="Real Expanse", ylab="Imaginary Expanse")
text(0, 0, "0",col=rgb(0,0,0))
text(1, 0, "1",col=rgb(0,0,1))
text(-1, 0, "-1",col=rgb(1,0,0))
text(0, 1, "π",col=rgb(0,1,0))
text(0, -1, "π",col=rgb(0,1,0))
segments(0,0,1,0,col=rgb(0,0,1))
segments(0,0,-1,0,col=rgb(1,0,0))
ちなみにオイラーの公式e^Θ=CosΘ+iSinΘにおいては、これまでこんなに特別視してきた極限「−1」が、あっけなく円周上に存在する任意の座標の一つに組み込まれてしまいます。もはやそこが死角といえなくなってしまったからですね。
統計言語Rによる検証例
#オイラーの方程式
complex(real=cos(0),imaginary=sin(0))#ラジアン表記で0度
[1] 1+0i
complex(real=cos(pi*0.5),imaginary=sin(pi*0.5)) #ラジアン表記で90度
[1] 0+1icomplex(real=cos(pi*0.5),imaginary=sin(pi*-0.5)) #ラジアン表記で-90度
[1] 0-1icomplex(real=cos(pi),imaginary=sin(pi)) #ラジアン表記で180度
[1] -1+0i#特殊解としての「オイラーの等式」
exp(pi*complex(real=0,imaginary=1))
[1] -1+0i
そしてかかる展開の反動として、ある種の実存不安が急浮上してくる?
不安の概念は、ある特定のものに関係しているところの恐れやそれに似た諸概念とは全く違ったものである。不安とは可能性の前の可能性として自由の現実性である。-不安の概念-
— Søren Kierkegaard (@Kierkegaard_jp) May 12, 2019