四元数(quaternion=クォターニオン)だけでなくフーリエ解析(Fourier Analysis)やラプラス変換(Laplace transform)/ラプラス逆変換(Laplace inverse transform)でも出てきます。
トーラス(torus, 複数形: tori) - Wikipedia
初等幾何学において円環面、輪環面は、円周を回転して得られる回転面。最もありふれたタイプは円(周)の外側に回転軸を置き得られる回転体、いわゆる「ドーナツ型」である。
その形と大きさを示すには大円の半径である大半径Rと、小円の半径である小半径r(R > r) の2つの値が必要となる。小円は回転体の断面の円、大円は小円の中心がなす円でトーラスの「中心曲線(core curve)」ともいわれる。
- xyz平面上の円C:(x-R)^2+z^2=r^2(ただしR>r>0)をz軸の周りで回転することによって得られるが、その時の方程式はT:(sqrt(x^2+y^2)-R)+z^2=r^2となる。
- 媒介変数t,p(0≦t≦2π , 0≦p≦2π)を使えば「x=R*cos(t)+r*cos(p)cos(t)」「y=R*sin(p)+r*cos(p)sin(t)」「z=r*sin(p)」と表示することもできる(t , p を消去すれば上の方程式になる)。
ここで媒介変数 t を一定としたときのトーラス上の閉曲線をメリディアン(meridian)または経線(けいせん)といい、 p を一定にしたときのトーラス上の閉曲線をロンジチュード(longitude)または緯線(いせん)という。
平坦トーラス (flat torus)
円柱面を平坦なまま曲げて、両側の端を合わせ貼り付けることで得られる。「平坦」とは「曲率0」ということで、円柱面のように1方向にしか曲がっていない面は曲率0なので平坦である。平坦な面は可展、つまり、伸縮なしで平面(や他の平坦な面)に変形可能である。3次元空間内で円柱面を曲げるにはどうやっても伸縮が必要で、曲率のあるドーナツ型しか作れない。平坦トーラスを作るには、4次元空間が必要である。
平坦トーラスは長方形から作ることもできる。丸めて左右の辺を張り合わせて円柱面にし、あとは同じようにすればいい。円柱面の端とは元の長方形の上下の辺なので、上と下、右と左を貼り付けたことになる。ここで順序を変えて、まず右と左、次に上と下を貼り付けても平坦トーラスができ、このトーラスは元のトーラスと合同である。3次元空間内で考えれば、順序を変えると縦横が入れ替わり戻せないように思えるかもしれないが、4次元空間内では回転により重ね合わすことができる。つまり、上下・左右どちらを先に貼り付けても結果は同じである。
平坦トーラスを作る作業は4次元空間内であるため図示も想像も難しいが、実際に曲げずに、単に上と下、右と左が繋がっていると考えれば、平面幾何に関する限り同じことである。あるいは、同じ長方形が上下左右に無限に繰り返していると考えてもいい。家庭用ゲーム・ドラゴンクエストシリーズなどのコンピュータRPGに登場する、世界地図の右端と左端だけでなく上端と下端が同じ向き付けで繋がっているような世界は、地球のような球面ではなく平坦トーラスである。
四次元空間での回転は独立な2つの二次元回転となっている。つまりある点がどんな角度で回転移動しても、二次元回転の半径にあたる2つの距離が変わらない。さらに言えば自由度が4-2=2だとその点は二次元な面上に居続ける。この面は「平坦トーラス」と呼ばれ伸縮無しで長方形に展開できる性質があるので、上下/左右がつながった二次元の地図として紙に描いて、点が回転移動する様子を見てみる。
地図の緯度方向・経度方向は、2つの基準面それぞれでの円周上の位置を表す。長方形なのは、各基準面上の回転の半径が異なることを反映している。
- double rotation(緑)…トーラス面を斜めに進む。角度が (α,β)(α,β) であれば、緯度方向に αα だけ進む間に経度方向に ββ だけ進む。角度の比が無理数だと何周してもスタート地点には戻らない。
- simple rotation(青)…片方の角度がゼロなので、緯度方向または経度方向のみに移動する。1周で元の位置に戻る。
- isoclinic rotation(赤)…これもdouble rotation同様、斜めに進むが、緯度経度が同じ大きさで変化するので1周で元の位置に戻る。
double rotationは角度次第でトーラス面上のどこにでも移動できるのに対し、isoclinic rotationでは同じところを回ることしかできない。しかし、実線方向と破線方向の2回に分ければ同様にどこにでも移動できる。角度θのsimple rotation(三次元回転を含む)に対して2回の角度の大きさを共にθ/2とすればいいことが地図からすぐに分かる。
雰囲気だけでも感じられたでしょうか?
どうやらデカルト座標系(Cartesian coordinate system)すなわち直交座標系(rectangular coordinate system / orthogonal coordinate system)において互いに直交する=一次独立(線型独立、ベクトルの内積が0)の座標軸が自然にN次元を構成する様に、オイラーの公式(Euler's formula)から出発する極座標系(Polar coordinates system)は、自然にこういう方向に拡張される模様…