「諸概念の迷宮(Things got frantic)」用語集

本編で頻繁に使うロジックと関連用語のまとめ。

【ハードボイルド文学論】大源流を「フランス暗黒小説」に再設定?

ここまで展開してきた「ハードボイルド文学論」が行き詰まってしまいました。

そこで仕切り直し…

米沢穂信「古典部」シリーズ第四巻「遠回りする雛」より

縁側に腰掛けたまま、千反田は両手を天に広げてみせた。空はもうほとんど夜で、星もいくつか見えている。

「見てください、折木さん。ここがわたしの場所です。どうです、水と土しかありません。人々も段々老い疲れてきています。山々は整然と植林されてますが、商品価値としてはどうでしょう? わたしはここを最高に美しい場所だとは思いません。可能性に満ちてるとも思ってません。でも…」

腕を降ろし、ついでに目も伏せて、千反田はつぶやいた。

「…でも折木さんにどうしても紹介したかったんです…」

この時、俺はかねて抱いてきた疑問について、一つの答えを得た。

俺はこう言おうとしたのだ。「ところで御前があきらめた経営戦略眼についてだが、俺が修めるというのはどうだろう?」

まさかそれまで作中で繰り返し描写されてきた「千反田江留は理系」が、ここでこういう形で伏線に使われるとは。アニメでは自転車を引いて帰る場面に変更されていた。そこで千反田江留が駆使したのは、入須冬実先輩から伝授された「女帝の手管」の完全成功パターン。世界中を「折木、堕ちた」なるコメントが流れた。

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作中で入須冬実先輩が千反田江留に伝授する「女帝の手管」 

「大事なのは相手が自分から動いてくれる様に仕向ける事だ。その為には相手に精神的満足感を与えなければならない。色々あるんだが、お前にも使えそうな手は期待だろ。相手に自分は期待されてると思わせるんだ。それが出来れば後は実に簡単に尽くしてくれる。ただし問題はあまり大きく見せない事だ。自分には些細な事だが相手にはそこそこ大事な事だくらいがいい。それともう一つ。出来れば人目につかないところで異性に頼むんだ。」

千反田江留は当初これを「相手に期待してるように見せる」「自分の利益を小さく見せる」「人目につかないところで異性に頼む」と単純化した形でしか把握出来ず、一旦実践に失敗している。

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「お前が期待を操ろうとすると、どうしても甘えている様に見えてしまうんだ。そして振りも続けると、まず自分自身が真に受けたりする。下手に画策し続けるのだけは止めた方がいい。単刀直入な言い方しか出来ないのはお前の弱点だが、他では得難い武器でもある」

期待については福部里志のこういう台詞もある(だから千反田も「期待」という言葉を「最終局面」では使わない)。

「自分に自信がある時は期待なんて言葉を出しちゃいけない。期待って言葉は諦めから出る言葉なんだよ。そうせざるを得ないどうしようもなさがないと空々しく聞こえてしまう」

第三世代フェミシストの姉様層が小娘にこうしたノウハウをまとめて伝えるうち、それを自ら「雌ライオンの集団狩猟の流儀(Hunting ways of Female Lions)」と総称する様になっていったのもさもありなん。ちなみにここでいう雌ライオン達は単独で獲物を仕留める自信がある時には(獲物を独占する為にも)単独で狩を遂行するが、その時は容赦無く荒っぽい手段を用いる事もある。実際「危機感を抱いた生物は子孫を残そうとする活動を活発化させるんだ」と全体像を客観的に俯瞰するサトシも「バレンタインの惨劇事件の責任を取らされる形で「お兄ちゃんはしばらく御免なさいしかいえない可哀想な生き物に転落した挙句の果てにお前にもう一人で過ごせる放課後も週末もない宣言を下されてしまいました(妹の事後説明)」なる最後を遂げた。

ここでまさかの「オレのいう通り繰り返せ。愛してる」「愛してるディスクール

そして…

そして…

そんな感じで以下続報…