「キャサリン・マッキノン(Catharine MacKinnon,1946年10月7日~)」は日本に1980年代以降導入された「セクシャル・ハラスメント」概念の提唱者。
その直前の1980年代前半には「ピーターパン・シンドローム」や「ウェンディー・ジレンマ」の話題が流行していました。
マッキノン、こんなこと言ってたか? https://t.co/OaWRASxBVu
— バクダンカキドリ (@D_novaeguineae) 2022年4月10日
こういう考え方で当時の世相に影響を与えた様です。
枕営業のような女性にもメリットのあるセクハラを女性が許容するから環境そのものがセクハラ化するというのがマッキノンの「環境型セクハラ」概念だったんだけど、なぜか近年は萌えポスターが環境型セクハラということになっており、マジでみんなジェンダー学の古典読んでないんだなと真顔になる。
— (狂) (@akihiro_koyama) 2022年4月6日
セクシャルハラスメントにおける男女の共犯関係、マッキノンのセクハラ理論の中心的概念なんだけど、これに言及してるフェミニストマジで1人も見たことない。ジェンダー学、滅びたのかもしれん。https://t.co/VnZex1v5yJ
— (狂) (@akihiro_koyama) 2022年4月6日
マッキノンのセクシャルハラスメント理論は邦訳もあるのでちゃんと知りたい人はこれ読んでください。https://t.co/dmsyrXGFGU
— (狂) (@akihiro_koyama) 2022年4月6日
内容については自分のnoteでほとんど完全に解説してます。ただ単なる内容の把握以上のことを求めるなら原典を読むしかありません。原典に何が書かれてるかを知りたいなら原典を読むしかないからです。https://t.co/VnZex1v5yJ
— (狂) (@akihiro_koyama) 2022年4月7日
そして…
とぼけてばっかりもアレなんで、いちおうフェミニズム内部の論理についても解説しておきます。まず、社会学とか文化人類学の重要な軸として、「本質主義」と「構築主義」の対立というものがあります。これを理解しなければ、フェミニストが何に怒っているのかは理解できません。
— 青識亜論(せいしき・あろん) (@BlauerSeelowe) 2022年4月7日
めちゃんこざっくり言いますと、本質主義というのは、人間には変えがたい「本質」と言うべき性質があって、例えば家族を作り、子どもを産み、社会で労働して糧を得る……というのは、人間の「本能」に由来する行為であって、自然で普遍的なものだ、というものです。
— 青識亜論(せいしき・あろん) (@BlauerSeelowe) 2022年4月7日
20世紀以降の人文学やフェミニズムはこれを一般に批判してきました。そういう人間の「本質」とみられてきたものは、実はお金持ちや権力者が社会を支配するのに都合がよいため、人間の手で「構築」されたものだ、という「構築主義(構造主義)」の考え方が生まれ、主流化していきます。
— 青識亜論(せいしき・あろん) (@BlauerSeelowe) 2022年4月7日
特にフェミニズムは、貞淑で従順、被支配的な「女らしさ」を女性の「本質・本能」と見る考え方に対して、「それは男社会が作り出した幻想だ」と批判するため、この「構築主義」的な思考法をきわめて重視します。女は女として生まれるのではなく女になるのだ、というテーゼは有名ですね。
— 青識亜論(せいしき・あろん) (@BlauerSeelowe) 2022年4月7日
で、80年代あたりになるとマッキノンあたりのラディカルフェミニストが、そもそも男性優位の「セックス」それ自体が社会的に構築されたものであって、レイプとかはその社会構造が生み出したものだ、という思想が出てくる。
— 青識亜論(せいしき・あろん) (@BlauerSeelowe) 2022年4月7日
つまり、男性がレイプをするのも、男性が女性を支配し、セックスでも同じように支配的に振舞うという、社会的に構築された性関係が存在するからなのであって、それは自然なものでもなければ、本能とか人間の変えがたい性質によるものじゃない。社会的な構築物にすぎないんだ、と主張し始める。
— 青識亜論(せいしき・あろん) (@BlauerSeelowe) 2022年4月7日
じゃあ、具体的にその社会的構築物ってどうやって作られて、維持されてるのよ、って話になると、それはメディアだ、表現物だ、もっと言うと性差別的なポルノグラフィが悪い、という発想になって、フェミニズム側からのポルノ規制論につながる。
— 青識亜論(せいしき・あろん) (@BlauerSeelowe) 2022年4月7日
ここには、「欲望は作られるものだ」という非常に強固な前提があるわけです。言い換えれば、「欲望は作り変えることができる」と。だから、女子高生に性的に興奮するような作品は、「女子高生への性的欲望を作り上げている」と解釈されてしまう。だから「性犯罪と地続き」なんて話にもなる。
— 青識亜論(せいしき・あろん) (@BlauerSeelowe) 2022年4月7日
で、私が思うのは、それって本当? って話なんですよね。
— 青識亜論(せいしき・あろん) (@BlauerSeelowe) 2022年4月7日
実際、この種の「女性は社会の犠牲者になっている」式の議論は、実はフェミニズムの内部でも批判があって、一枚岩じゃないんですよ。例えば、意外かもしれませんが、牟田先生の『実践するフェミニズム』などでは批判している。
— 青識亜論(せいしき・あろん) (@BlauerSeelowe) 2022年4月7日
もちろん、さっき私が引用した上野先生の「不倫は自然なこと」って主張も、かなり「本質主義」的な主張ですよね。だって、これほどガッチガチに一夫一婦制を歴史的に貫いてきたのに、不倫はなくならないわけですから。より優れたオスを愛するのは「自然」って、本質主義に他ならない。
— 青識亜論(せいしき・あろん) (@BlauerSeelowe) 2022年4月7日
だいたい、欲望がそんなにも構築主義的で、欲望を責め立てたり不可視化すれば消えるというのなら、ダイエットなんてとっても簡単なはずですよね。でも実際には、どれほど自己を抑圧しても、チョコレートの甘美な味や、フライドポテトの罪深い味に快感や欲望を覚えることは、変えがたい性質です。
— 青識亜論(せいしき・あろん) (@BlauerSeelowe) 2022年4月7日
性本能というのも同じです。女子高生を欲望する作品があるから欲望があるのではなく、欲望があるから女子高生を欲望する作品ができる。この部分を転倒させて、フィクションから欲望を消せば、欲望は社会的になくせるという発想自体が、ナンセンスなのです。
— 青識亜論(せいしき・あろん) (@BlauerSeelowe) 2022年4月7日
本当に重要なのは、欲望を内心から消し去ることではなくて、欲望が存在することは承認しつつ、その欲望が誰かの権利を侵害するような行為に及ばないような倫理観を持つことです。「イエスロリータ、ノータッチ」というのは、まことに正鵠を得たテーゼだと言えるでしょう。以上。
— 青識亜論(せいしき・あろん) (@BlauerSeelowe) 2022年4月7日
なるほど…
- 「欲望は作られるものだ」はドイツ社会学の大源流となったマルクス=フロイト主義の概念「我々が自由意思や個性と信じ込んでいるものの多くが社会の同調圧力、無意識からの欲求、超自我からの命令に基づく」に対応する。
- 「フェミニズムは、貞淑で従順、被支配的な「女らしさ」を女性の「本質・本能」と見る考え方に対して「それは男社会が作り出した幻想だ」と批判する」は、マルクス主義流フェミニズム、すなわちエンゲルス「家族・私有財産・国家の起源(Der Ursprung der Familie, des Privateigenthums und des Staats,1884年)」由来。ただしマルクス主義自体が「空想主義社会学者」シャルル・フーシェの多次元座標管理概念を取り込んだ結果、フランス革命を主導した「第三階級こそが国家の主権者である」流の原始的な線形階級論自体も「歴史の掃き溜め」送りに。
- それでもなお盲目的に「女性の勝利」のみを単純標榜し続けるフェミニズムは、「欲望の大半を高級ブランドの購入欲、行動の大半を援助交際が占める村上龍「トパーズ」的女子高生」や「イスラム原理主義の勝利だけが人類を救うと考えるテロリスト」同様「二次元行列式=0すなわち次元が潰れた状態」にあえて身を置く過激派(Radicalist)に堕したとしか表現しようがない。
それではここでいう「本質主義」とは何か?
- 若者や奴隷などの被支配階層に見受けられる「太腿などを誇示する」姿勢…どうやら動物にとって「笑う=牙を剥き出しにする」行動が攻撃本能と結びついている事と重なるらしい。要するに挑発行為という側面がある。
- 抑圧された衝動の暴発…日本から海外に流出した「二口女」の意匠が何かを捉えた。「強引な我慢は禁物」の含み。
こういう話に以下につながっていく訳です。
#ジェンダーって何
— YANAMi🦊全ブロ砲誤爆したらスマン (@yyposi918) 2022年4月10日
反ポルノのフェミニスト(マッキノン)が「日本にはレディコミやBLなどの女性向けポルノがあるんですよ」って言われたら
「そんなものは実際には男が読んでいるんだ」って言った話、わりと有名だと思ってたんですが、案外知られてなかった…(もっと擦りゃよかったと反省) https://t.co/oluljr9eP4
#ジェンダーって何
— YANAMi🦊全ブロ砲誤爆したらスマン (@yyposi918) 2022年4月10日
このマッキノンの「レディコミやBLなんて男が読んでるに違いない」発言で、
これを聞いたオタクは一斉に「こいつら日本のこと何も知らないし理解する気も皆無の侵略者だ」って真顔になったのも昔話ですね既に。
詳細な発言内容、ありがとうございます。#ジェンダーって何 https://t.co/ZRRUk2coJS
— YANAMi🦊全ブロ砲誤爆したらスマン (@yyposi918) 2022年4月10日
#ジェンダーって何 https://t.co/iSU4ZAi7s5
— YANAMi🦊全ブロ砲誤爆したらスマン (@yyposi918) 2022年4月10日
#ジェンダーって何 https://t.co/xqFxgZXJy1
— YANAMi🦊全ブロ砲誤爆したらスマン (@yyposi918) 2022年4月10日
そして…
マッキノンとかドウォーキンみたいなラディフェミ権威ですら「被害をもたらすことが証明されうる物(ポルノ)だけが告発できる」と言っていたのに、いつの間にか「不快即有罪」になってるの狂気すら感じるタマ。
— たまご (@n8zSbuCItkxU4A7) 2022年4月8日
そんな感じで以下続報…