「諸概念の迷宮(Things got frantic)」用語集

本編で頻繁に使うロジックと関連用語のまとめ。

【用語集】【段階的発展説】 エリック・ホブズボームの「段階的発展説」

段階的発展説」そのものにも歴史があります。

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 エリック・ホブズボーム20世紀の歴史(1994年)」

マルクス主義者でもあった英国歴史家エリック・ホブズボーム(Eric John Ernest Hobsbawm, 1917年〜2012年)は1789年におけるフランス革命勃発から1914年までを「長い19世紀(The Long 19th Century)」、1914年から1991年ソ連崩壊までを「短い20世紀(The Short Twentieth Century)」と呼ぶ。

長い19世紀(The Long 19th Century)

短い20世紀(The Short Twentieth Century)

  • 破局の時代(1914年~1945年)…1914年サラエボ事件をきっかけとしてヨーロッパを主戦場とした第一次世界大戦が勃発した。大戦は1000万人以上の犠牲者を出し1918年には終戦を迎えたが、その後も火種は残り続け、1939年にはドイツ軍のポーランド侵攻をきっかけとして枢軸国側と連合国側による第二次世界大戦の開戦に至った。戦場は全世界的規模へと拡大しておよそ2500万人の犠牲者を出し、更に1945年には枢軸国側で最後まで残っていた日本に対して人類史上初の原子力爆弾が投下され、ようやく終戦を迎えた。
  • 黄金の時代(1945年~1973年)…先の大戦超大国となったアメリカ合衆国を盟主とする資本主義・自由主義陣営ソビエト連邦(ソ連)を盟主とする共産主義社会主義陣営によって世界は二分され、東西冷戦時代へと突入した。この対立構造によって経済発展競争や科学技術競争、宇宙開発競争などが起き、1969年7月20日にはアメリカのアポロ11号によって人類初の月面着陸が達成された。様々な変化をもたらしたこの黄金時代は、1973年オイルショックによって終焉を迎えた。
  • 危機の時代(1973年~1991年)…1973年には先進諸国で変動相場制が導入されたが、数ヵ月後には第4次中東戦争の勃発をきっかけとして原油価格の高騰などからオイルショックに陥り、これまでエネルギー源を中東の石油に依存してきた先進諸国の経済に打撃を与えた。それまで好調だった世界経済は地すべり的に停滞へと向かい、経済を含めた社会情勢などが不確実さを増したことから、当時代区分は「地すべりの時代」「不確実と危機の新しい時代」とも呼ばれる。1989年には東欧革命が起き、アメリカ・ソ連両国の首脳により半世紀近く続いた冷戦の終焉宣言も出された。またこの年に起きたベルリンの壁崩壊により、翌年には東西ドイツが再統一された。共産主義社会主義陣営の敗北によって、最終的には1991年ソ連崩壊へと結実している。「短い20世紀」の概念では、この出来事を以ってサイクルの終了と考えられている。

長い19世紀」は啓蒙進歩の時代であり「理性を正しく用いれば過去から現在、現在から未来へと人間は無限に進化していける」と率直に信じられていた時代に該当する。当時は科学や産業が発展し、物質的にも豊かになっていったヨーロッパでは自分達こそ最も文化的に進歩した地域だという自負が生じ、近代化を遂げてない異文化の国々を「未開」や「野蛮」ととらえ、ヨーロッパが指導して発展させねばならないとする「ヨーロッパ中心主義」が植民地支配を正当化していったという訳である。

しかし実は1914年に始まった「戦争の時代」は今なお続いているのかもしれない。少なくともフランシス・フクヤマが預言した「世界中が民主主義国家となって穏やかで平和な時代の到来」は夢物語となってしまった。

そんな感じで以下続報…