「諸概念の迷宮(Things got frantic)」用語集

本編で頻繁に使うロジックと関連用語のまとめ。

【用語集】国際SNS上の関心空間におけるNymphet期少女達

2010年代前半、国際SNS上の関心空間においてNymphet層(身体成長速度が少年のそれを追い抜く小学校高学年時代から再び抜き返される中学生時代にかけての少女)が実在する集団として可視化され、かつ「昔は男性も16才で元服していたが今はそうじゃない。女性のNymphet期も延長されてしかるべき」なるモラトリアム延長論が登場した。

実際、当時の国際SNS上の関心空間には(親世代の要望を受けて監視機能強化に勤しんでいたFacebookから逃げてきた)匿名のNymphet期少女達が数十万人単位で群れており、狂犬の様に何にでも噛み付いて多種多様なムーブメントを連続して引き起こしたのである。当時の私は(こじか戦争」においてNymphet期少女達に標的とされながら逆転勝利を飾り、これが「ルーナ・ラブグッド村殲滅戦」における共闘につながった)年長女性層(Elder Ladies)側に与していたが「あれはまだ人間というより獣に近い段階だから」と断言してNymphet期少女達を(ヴィンランド・サガ((VINLAND SAGA,2005年〜)」において「わざと煽って感情的にさせて視野狭窄を引き起こす」手口でアシェラッドがトルフィン を手玉に取り、さらにそのトルフィンが成長後、同じ手口でガルムを手玉に取る様に )あえて手荒く扱う事でかえって逆にキャーキャー喜ばせる展開に衝撃を受けたものである。どんなヴァルハラですか、一体…

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年長組の仕掛けを観察する限り、具体的には以下の様に挑発する。岡田麿里荒ぶる季節の少女達へMaidens in your Savage season、2016年〜2019年)」より。

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ネロ先生「性的欲求バリバリの妄想少年が高校教師になるなんて大問題、そうおっしゃいましたね。」

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「大丈夫、女子高生に食指は動かない」

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「汚いから」

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「女子高生の肌は大半が荒れている」

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「青い果実といえば聞こえはいいが」

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「未発達な肉は固そうだ」

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「明け透けで文学には存在し得ない暴投過ぎる表現をしてくる」

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「それが新鮮でそそられるかといえば、単に雑なだけ」

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確かにNymphet期少女達には自らの「鴨鹿の様な」脚線美を自慢したがる傾向がある。かつて沖縄の中学校で女子生徒が制服のスカートの丈の短さを競い合ってるのに男子生徒の一人が「目のやり場に困るんですけど?」とクレームを付けたら、全員土下座状態で「お前らに見せる為にやってるんじゃない。母親との対抗上だ」と説教されたという(集団蜂起したNymphet期少女達ほど凶暴な集団は存在しない)。こういう集団に「お前らが立派なDrum(太腿)と信じて見せびらかしてるのは、ただの貧弱なwing(手羽)だ。一列に並べ。電気按摩の刑に処す」と宣言して突撃をかましておいて最終的に圧倒的勝利を飾り、無事生還するなんて到底男には出来ない芸当だったりする。

Nymphet期少女のセックス・アピールは、異性に対してというよりまず年長組女子(母親や姉的存在)に向けて発せられる私こんなに成長したんだよ!!メッセージである」。この定理を知ってると椎名林檎歌舞伎町の女王(1998年)」の聞き方も随分変わってくる。

そしてここでいう「Nymphet期少女達の自認としての不潔さ」は「近親相姦を避ける為、この時期先天的に鋭敏化する父親の匂いを毛嫌いする傾向」と相まって「もっと不潔な同年代男子への侮蔑」として現れるという。
元来は「♪やめてよして触らないで垢がつくから、あんたなんか嫌いよ、ビビデバビデブー!!」とか歌われて傷付いた反動で、逆に成長速度で同年代女子を抜き返した男子が復讐衝動を抱えるのがナボコフロリータ」を1962年に映画化し、かつ「バリー・リンドン(Barry Lyndon, 1975年)」を制作したスタンリー・キューブリック監督も一時は傾倒したロリコン(Lolita Complex)路線であり(評価的に報われる部分が少なかった事に失望し、路線を変更して「シャイニング(The Shining, 1980年)」を制作)、これに対しNymphet期少女天野 陽菜同世代少年森嶋帆高を翻弄する基本構図は継承しつつ、あらゆる問題にリアルタイムで決着をつける事で後世にコンプレックスを残す事を未然に防いだのが新海誠監督映画「天気の子(Weathering With You,2019年)」だった事になる。こうした観点からすると「天気の子」で案外重要となってくるのが陽菜が感情を激昂させた時の落雷シーンであり、(暴走すれば世界全体に迷惑をかけるという感情萎縮が)物語文法的に彼女が「救済を待つお姫様役」へと追い込まれていく展開を正当化する役割を上手く「背伸びして大人っぽく振る舞いたがるNymphet期少女の特徴」と結びつける役割を担っていたりする。先例を挙げるなら樋口一葉たけくらべ(1895年)」で自らの運命を無抵抗で受け入れる吉原郭の少女美登利(14歳)の立ち位置。そしてそれを「あるべき現実」として容認しない辺りに「天気の子」の21世紀性が現れてくる訳である。

この辺りの「若さゆえの混沌」を巧みに作中に盛り込んだ例として私が真っ先に思いついたのは「狼の血族(The Company of Wolves, 1984) 」辺りだが、当時のネット上の女子は「コララインとボタンの魔女(Coraline, 2002年,2009年映画化)」や「パラノーマン ブライス・ホローの謎(ParaNorman, 2012年)」を挙げる事が多かった。前者は「ベオウルフ/呪われし勇者(2002年)」においてアンジェリーナ・ジョリー演じるグレンデルの母を(角川映画里見八犬伝 (1983年)」において、「千と千尋の神隠し(2001年)」の湯婆婆/銭婆の声を当てた夏木マリが演じる玉梓を思わせる)ある種の地母神として描いたニール・ゲイマンがそれ以前に手掛けた「(家父長制と家母長制を均等に問題視する)第3世代フェミニズム童話、後者はセイラム魔女裁判(1692年~1693年)に取材した憑き物落とし系ミステリー(最後に明らかになる怨霊の正体は暴走したNymphet期少女)である。

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(当時は気付かなかったが)かかるNymphet期少女達の「乱入」こそが国際SNS上の関心空間を勃興させ、かつその「卒業」がその衰退の契機となった側面もあった。いつの時代も「調度良い具合での活気の安定」など望むべきもない点は変わらないのである。

そう、映画「ソーシャル・ネットワーク(The Social Network,2010年,ノンフィクション「facebook 世界最大のSNSビル・ゲイツに迫る男(The Accidental Billionaires,2009年)」の並列企画)」が東海岸から脱出して西海岸でSNSサイトFacebookを創設したマーク・ザッカーバーグを英雄として称揚した時点で、既に水面下における東海岸シフトは始まっていたのだった。

 

一方「Nymphet期延長論」自体は「とらドラ!原作2006年~2010年、TVアニメ化2008年~2009年)」で大成功を収めた竹宮ゆゆこが大学生活に舞台を移した「ゴールデンタイム(2010年~2014年、 TVアニメ化2013年~2014年)」を皮切りにその「とらドラ!」の脚本を努めた岡田麻里の手になる「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない(Anohana: The Flower We Saw That Day, TV版2011年、劇場版2013年)」「荒ぶる季節の乙女どもよ(2017年~2019年,アニメ化2019年)」を経て劇場アニメ版「ジョゼと虎と魚達(2020年)」につながっていく感がある。西尾維新も「物語シリーズ(2003年~)」の舞台を大学に移したし2020年代はもっと大学生活がドラマの舞台としてクローズアップされる事になるのかもしれない。
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「私の幸せは私がこの手で!! この手だけで掴み取るんだ!!  私には何が幸せか、私以外の誰にも決めさせねぇ!!」

 

 

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