「諸概念の迷宮(Things got frantic)」用語集

本編で頻繁に使うロジックと関連用語のまとめ。

【計算の歴史】オイラーの原始量(Euler's primitive sweep)について。

「♪オイラーはドラマー、やくざなドラマー、オイラーが怒れば嵐を呼ぶぜ…喧嘩代わりにドラムを叩きゃ、通りの憂さも吹っ飛ぶぜ…」

①任意の観測原点「」を設置する。この時点ではまだ何も起こってはいない。

②何かが観測されると、対象「」を起点にとして距離1の線分にして、その旋回範囲に(これを半径とする)円や球面を形成する「オイラーの原始量Euler's primitive sweep)」が現出する。

Rによる検証例

#半径rの円の面積(pi*r^2)をrで微分(Differential)すると円周の長さ(2*pi*r)となる。
D01<-expression(pi*r^2)
D(D01,"r")
pi * (2 * r)

#半径rの球の体積(4/3*pi*r^3)をrで微分(Differential)すると球の表面積(4*pi*r^2)となる。
D02<-expression(4/3*pi*r^3)
D(D02,"r")
4/3 * pi * (3 * r^2)

③そしてかかる観測原点より半径分「」あるいは半周分「π」離れた先に極限値−1」が想定される。
*ここで急浮上してくるのが「有意味なデータの抽出(Extract Significantly result of the data obsertion)」は「無視可能なデータの切り捨て(Reject Ignorableresult of the data obsertion)」と表裏一体の関係にあるという問題。ユークリッド幾何学的に「直線は2点間を結ぶただ一つの最短距離」という立場に立つなら「半周(π)分旋回した先の-1」なる定義は無意味。また逆にオイラーの公式の様に「e^θ=cosθ+isinθ」という立場に立つなら(直径は半径の倍なる概念を受容済みとはいえ)逆にそちらの定義が無意味となる。そもそもそれぞれの方法が導出する「−1」は本当に一致するのだろうか?

統計言語Rによる視覚化

#オイラーの原始量(Euler's primitive sweep)
theta <- seq(pi, -pi, length=360)
plot(cos(theta), sin(theta), type="l",col=rgb(0,1,0), main="Euler's primitive sweep", xlab="Real Expanse", ylab="Imaginary Expanse")
text(0, 0, "0",col=rgb(0,0,0))
text(1, 0, "1",col=rgb(0,0,1))
text(-1, 0, "-1",col=rgb(1,0,0))
text(0, 1, "π",col=rgb(0,1,0))
text(0, -1, "π",col=rgb(0,1,0))
segments(0,0,1,0,col=rgb(0,0,1))
segments(0,0,-1,0,col=rgb(1,0,0))

f:id:ochimusha01:20190501174943j:plain

要するにベクトルの集合{(0, 1)}は、その内面に1次元しか内包してないが故に以下の特徴を有しているのです。

  • そもそも座標軸として「尺度の連続すなわち...(-2, 1),(-1, 0),(0, 1),(1, 2)...と安定して続く事により合計や平均などが計算可能な状態の保証」が存在しない。あるのはただ「半径の2倍が直径で、ベクトル(-1, 0)とベクトル(0, 1)は連続した線分を形成する」と考えたがる傾向のみ。
    *そもそもデータが一つでは「順番(Order)」の概念が発展させられず「名義尺度」「順序尺度」「間隔尺度」「比例尺度」の分類形成すら不可能。

  • 距離と角度の組み合わせで座標が定まる極座標系(polar coordinates system)としては、さらに「角度の概念の保証」が存在しない。なので「線分とも円周とも球面ともつかない旋回範囲を有するであろう」なる漠然としたイメージを抱くのが精一杯となってしまう。
  • 互いに直交する(線型独立でかつ自然な大小関係を形成する)座標軸の積み重ねによって定まる直交座標系(rectangular coordinate system, orthogonal coordinate system)としては、そもそも「(積み重ねるべき連続尺度の連続の保証」がない。

ある意味、全ての数理モデルはかかる最上位抽象クラス(Top Abstract Class)の規定に始まる? なにしろ、そこには直交座標系と極座標系(polar coordinates system)をどうやって擦り合わせるかという問題の原風景が…

複素数(complex number)または虚数解(Imaginary solution) - Wikipedia

実数の対 a, b と 1 と線型独立な(実数ではない)要素 i の線型結合 a + bi の形に表される数(二元数: 実数体上の二次拡大環の元)で、基底元 i はその平方が −1 になるという特別な性質を持ち虚数単位と呼ばれる。

複素数は実数の対 (a, b) に対応し、それは視覚的には複素数平面を表現するアルガン図上のベクトルである。"Re" は実軸、"Im" は虚軸を意味する符牒であり、i は虚数単位と呼ばれる i2 = −1 を満たす量である。

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複素数全体の成す集合を太字の C あるいは黒板太字で ℂ と表す。C は、実数全体の成す集合 R と同様に、可換体の構造を持ち、とくに R を含む代数閉体を成す。複素数体はケイリー–ディクソン代数(四元数八元数十六元数など)の基点となる体系であり、またさまざまな超複素数系の中で最もよく知られた例である。

複素数の概念は、一次元の実数直線を二次元の複素数平面に拡張する。複素数は自然に二次元平面上に存在すると考えることができるから、複素数全体の成す集合上に自然な大小関係(つまり線型順序(linear order)、全順序(total order)または単純順序(simple order))をいれることはできない。すなわち C は順序体でない。

ある数学的な主題や概念あるいは構成において、それが複素数体を基本の体構造として考えられているとき、そのことはしばしばそれら概念等の名称に(おおくは接頭辞「複素-」を付けることで)反映される。例えば、複素解析、複素行列、複素(係数多項式、複素リー代数など。

線型独立(linearly independent)または一次独立 - Wikipedia

線型代数学(linear algebra)において、ベクトルの集合が線型従属(一次従属)でないこと、つまり集合のベクトルの線型結合によるゼロベクトルの表示が自明なものに限ることをいう。

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例:ベクトル空間 R2 の部分集合 {(1, 0), (0, 1), (-2, 1)} は非自明な線型関係 2(1, 0) - (0, 1) + (-2, 1) = 0 を満たすので線型従属である。他方 {(1, 0), (0, 1)} は線型独立である。

 地理的な例は線型独立性の概念を明確にする助けとなるだろう。ある場所の位置を記述している人は「それはここから3キロ北で4キロ東」と言うかもしれない。これは位置を記述するのに十分な情報である、なぜならば地理的な座標系は 2-次元ベクトル空間と考えることができるからである(高度と地球の表面の曲がりは無視して)。その人は「その場所はここから北東に5キロ」と付け加えるかもしれない。この主張は正しいが、必要でない。

この例において「3キロ北」ベクトルと「4キロ東」ベクトルは線型独立である。つまり、北ベクトルを東ベクトルの言葉では記述できないし、逆もまたしかり。三番目の「5キロ北東」ベクトルは他の 2 つのベクトルの線型結合であり、ベクトルの集合を「線型従属」にする、つまり、3つのベクトルのうち1つは不要である。

また次のことにも注意しよう。高度が無視されない場合、線型独立な集合に第三のベクトルを付け加えることが必要になる。一般に、n 個の線型独立なベクトルは n-次元空間の任意の位置を記述するために必要である。

ここで日本人は元来「想像上の」と訳すべきだったImaginalyの概念を「虚数」としか翻訳出来なかった原罪に直面させられるのです。Virtualizationの概念を「仮想化」としか翻訳出来なかった原罪とも重なってくる話ですね。